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クラス振興会 5話

原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

《配役》

『ドク』
高校1年生、男、主人公
頭脳担当


『レオ』
高校3年、男
ナレーション、好きなことはスキだとハッキリ言う


『チビ森』
高校2年生、男
小さくて、口が悪い


『福愛(ふくめ)』
高校3年生、女
女好き、会長が一番好き


『ミコ』
高校2年生、女
母性溢れる女神のような女性


『パル』
高校1年生、女
かわいい、マスコット的存在


『ガオウ』
高校3年生、男
会長にして最強の学生



比率4:3



1   ガオウ「この高校に新しい会を作るんだ」

2   福愛 「どんな会なの?」

3   ガオウ「この学校を良くするための会だ」

4   福愛 「なにそれ? 生徒会みたいなこと?」

5   ガオウ「近いけど、違うな。
誰かに言われて、使われるのはいやだから
自主的に動く人材を集めて
        楽しいイベントを毎日考える場所を作りたいんだ」

6   福愛 「ガオウらしい考えだけど、ホントにできるの?」

7   ガオウ「はは、俺だけじゃできない。福愛、おまえが必要だ。
        手伝ってくれないか?」

(回想終了)

8   パル 「廊下から足音がします」

9   チビ森「会長だ。とうとう来たぞ」

10  ミコ 「なんだか緊張しますね」

11  ドク 「作戦どおりお願いします」

12  福愛 「任せておけ」

13  ドク 「倒れた時に、みんなの連携で勝敗が決まるんです。
        チャンスは一度きり、失敗はできません」

14  パル 「足音が・・・ドアの前で、止まりました・・・」

15  チビ森「入って来るぞ・・・」

(ドアが開いて会長が一歩、前に踏み出す)

16  ドク 「引け!」

17  チビ森「よっしゃ! 転んだぞ!」

18  福愛 「いまだあああ!!!」

19  ドク 「そ、そんな!」

20  チビ森「なんだよ、あの動きは」

21  ミコ 「あんなに素早く動けるなんて、
        本当に人間なんですか?」

22  ガオウ「がああああああああ!」

23  ドク 「危ないミコさん!」

24  ミコ 「ドクくん、ありがとう。助かりました」

25  チビ森「刀を振り回して、まるで化け物じゃねーか」

26  福愛 「ガオウ、私よ。福愛よ。
        分からないの?」

27  ガオウ「はああああああああ!」

28  チビ森「副会長よけろ!」

29  福愛 「どうしてこんなことをするの?
        こんなのあなたらしくないじゃない!
        この学校を誰よりも愛していたあなたが、
        どうして、壊しているの!?
        新しく作り変えようとしていたのに!」

(ガオウに刀で襲われそうになる)

A    ガオウ「がああああ!」

B    福愛 「くっ…」

30  レオ 「福愛・・・」

31  福愛 「私を庇って・・・」

32  レオ 「今のガオウは、福愛の、知ってる、ガオウではない・・・
        目の前の、愛する男は、本能で、暴れまわる、
        怪物だ、逃げろ・・・」

33  福愛 「レオしっかりして! レオ!」

34  チビ森「ドク! どうにかしてくれよ。
        このままじゃ、みんな・・・」

35  ドク 「分かってる! 
        レオさんが最後の力を振り絞って
        副会長の盾になった。
        これ以上、血を流せることはしない!
        絶対に、会長を止めるんだ!」

36  チビ森「なんでもいいから武器を持て!
        パル! 早く、モップを取れ!」

37  パル 「勝てるわけないよ!
        刀を持ってるのに・・・
        怖いよ・・・怖いよ・・・」

38  ガオウ「がああああああ!」

39  チビ森「逃げ惑うしかないのか!?
        どうすればいいんだよ!
        誰か、教えてくれ!」

40  ドク 「落ち着け、考えるんだ。
        周りを良く見ろ。
        何がある。僕たちが持ってきた竹刀やデッキブラシ。
        武器になりそうなものと、本棚に花瓶とやかん・・・
        やかん!? そうか! IHヒーターでお湯を沸かしてるから
        この部屋には、コンセントがある!
        よし、コレしかない。チビ森、そのまま会長をひきつけとくんだ!」

41  チビ森「おいおい、ひきつけるって、そう長くはもたねーぞ!」

42  ドク 「ホンの少しで十分! ミコさんお湯を持ってきて」

43  ミコ 「お湯って?」

44  ドク 「やかんを早く取って」

45  ミコ 「は、はい!」

46  ドク 「会長! 捕まえたー!」

47  チビ森「後ろから会長を羽交い絞めにして、何をするんだ!」

48  ドク 「ミコさん! 会長にお湯をかけて!」

49  ミコ 「ええいっ!」

50  ガオウ「ぐああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

51  ドク 「チビ森、会長の足を掴め!」

52  チビ森「掴んだぞ! そのあとは?」

53  ドク 「腕を掴んだボクが、会長の濡れた指で
        コンセントに触れたら、漏電だ!」

54  ガオウ「ああああああああああああああ!!!!!」  

55  チビ森「ドク! 刀は、まだ持ってるんだぞ!」

56  ドク 「ヤバイ! 間に合わない!」

57  ドク 「あれ? なんか、ゆっくり見える。
        会長の動きがスローモーションしてる。
        ああ、このままだと、僕の首が飛ぶ。
        なんだ、僕は死ぬんだ。
        そうか、そうなんだ・・・
        これで、全ておしまい、か・・・」

58  ドク 「ん? いくらなんでも、遅すぎない?
        もう、とっくに僕が斬られてもおかしくないのに、
        会長の腕が止まってるように見える。
        あ、見えるんじゃなくて、止まってる!?」

59  福愛 「ドク、私が抑えてるから早くしろ!」

60  ドク 「副会長!?」

61  福愛 「ドク、これで会長を止められる。
        ありがとう、ためらわずに、思いっきりやって」

62  ドク 「副会長・・・分かりました。
        会長は、副会長やレオさんに迷惑かけすぎですから、
        もう寝てください!」


(病院のベッド)


63  ガオウ「福愛・・・か?」

64  福愛 「お帰りなさい、ガオウ」

65  ガオウ「ココはどこだ?」

66  福愛 「病院よ」

67  ガオウ「病院? なんで?」

68  福愛 「覚えてないの?」

69  ガオウ「記憶が途切れ途切れで、
        ゴチャゴチャに散らかってて、
        夢か現実か区別できない」

70  福愛 「覚えてなくてもいい。
        あんな記憶は、あなたに必要ない」

71  ガオウ「でも、懐かしい記憶は残ってる。
        久しぶりに、レオに会った気がする。
        あと、クラス振興会のみんなに会った。
        そして、俺は、嬉しかったんだ。
        それだけは、忘れてないんだ」


72  ドク 「会長は無事に退院した。
        大暴れした会長は退学をさせられて、
        海外のボランティアで頑張っている。
        その後をついて行った副会長は、
        会長の手伝いができて嬉しそうだった。
        そして、副会長がどうして会長が暴れていたのか、
        日本を離れる前に教えてくれた」

73  福愛 「ガオウは、自分の学校を良くしようと、
        色々な学校を見て回って、良いところを
        吸収しようとしていた。
        けど、格段な力の差を見せ付けられて
        自信を失くしてしまった。
        そして、今度は自分の学校を他の学校に
        見てもらうことになった。
        ガオウは、自分の学校は完璧でないから
        見せることは恥をさらすことになる。
        だから、初めからなかったことにすれば
        見せることもない、と思って、
        学校を壊すために暴れたの」

74  ドク 「そして、会長と副会長が居なくなった
        クラス振興会は、僕たちの手で
        続けることを決意した。
        だって、誰からも命令されることもなく
        楽しく学校を盛り上げるため
        面白いメンバーで毎日がたいくつしないんだから
        辞める理由なんかない」

        

        -終了ー


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クラス振興会 4話

原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

《配役》

『ドク』
高校1年生、男、主人公
頭脳担当


『レオ』
高校3年、男
ナレーション、好きなことはスキだとハッキリ言う


『チビ森』
高校2年生、男
小さくて、口が悪い


『福愛(ふくめ)』
高校3年生、女
女好き、会長が一番好き


『ミコ』
高校2年生、女
母性溢れる女神のような女性


『パル』
高校1年生、女
かわいい、マスコット的存在


『ガオウ』
高校3年生、男
会長にして最強の学生



比率4:3


1   福愛 「会長に会った!?」

2   パル 「はい、クラス振興会に来る途中にです」

3   ドク 「だ、大丈夫だったの? 怪我とかしなかった?」

4   パル 「怪我はありません。だって、普通に話ししましたから」

5   福愛 「会長!」

6   レオ 「待て、福愛。ガオウのトコロへ行ってどうする?」

7   福愛 「止めるに決まってるじゃない!」

8   レオ 「ガオウは、校内を暴れまわってるのは知ってるだろ!?
        生徒を暴行し、教師までも病院送りにしているんだぞ!」

9   福愛 「パルちゃんとは、話ができたんだから、
        私とだってできるでしょ」

10  レオ 「だが、それは絶対ではない。ただの偶然にすぎない。
        危険すぎる、行くな」

11  福愛 「レオ、私は、それでもやっぱり会長が好きなの。
        だから、いつでも帰ってこられるように、
        副会長になってこの場所を守ってたんだよ」

12  レオ 「福愛・・・」

13  福愛 「暴れまわってるのには
        きっと理由があるはず。
        そうじゃなきゃ、おかしいじゃない。
        だからそれを確かめてくる。
        じゃ、行ってくるね」

14  レオ 「福愛は、悲しい笑顔で、別れの挨拶をした。
        それは、二度と会えないかのように」

15  ドク 「レオさん、今の会長は暴走して、警察まで呼ばれてるのに、
        副会長をこのまま行かせていいんですか?」

16  レオ 「良くないことはわかっている。
        だが、俺には福愛を止められない。
        それに、ガオウが単に暴れてるとは思えん」

17  チビ森「だったら、俺たちも会長のところに行こうぜ」

18  レオ 「福愛1人に任せてはおれんしな」

19  ドク 「分かりました、行きましょう。会長を止めに」

20  レオ 「だが、闇雲に行っては自滅する。
        策を練らねば」

21  ドク 「そうですね、なにか捕まえられる道具があればいいんですが」

22  レオ 「捕まえるんだったらロープが必要だ。
        それに相手は丸腰だから武器があれば、こちらが有利。
        警察に捕まる前に、オレたちが捕まえて事情を聞く」

23  ドク 「警察に捕まる前に確保ですね」

24  チビ森「そうと決まれば、武器になりそうなものとか、
        ロープとか手分けして探そうぜ」

25  レオ 「ミコとパルは、ここに居ろ」

26  ミコ 「わかりました。みんなが笑顔で帰ってこれるように、
        会長の分までお茶を淹れときますね」

27  レオ 「では、行くぞ」

28  チビ森「おう」

29  ドク 「でも、どうして、パルちゃんは、無傷だったんだろう?
        会長と何を話したの?」

30  パル 「何をって、お菓子を渡したんです」

31  ドク 「もっと詳しく教えて」

(回想)

32  ガオウ「お、おい、パル・・・」

33  パル 「か、会長!? 帰ってきてたんですか!?」

34  ガオウ「帰ってきたばかりで、腹がへってな。
        すまないが、なにか食べ物を、もってないか?」

35  パル 「クッキーならありますけど」

36  ガオウ「そ、それでいい、くれ・・・」

37  パル 「1枚しかないですけど」

38  ガオウ「サンキュー。それじゃ、用事があるから、じゃあな」

(回想終了) 

39  パル 「なんか、ボロボロでした」

40  ドク 「お菓子を渡せば暴れないのか?」

41  レオ 「なんとも言えんな。今のガオウは精神が不安定になっているからな。
        パルと出会った時、微かながら正気に戻ったのかもしれん」

42  チビ森「早く行こうぜ。全校生徒を帰して、教師も残ってない学校なら、
        動きやすいんだからよ」

43  ドク 「わかった、行こう」

44  ドク 「会長、どうして暴れてるんだ?
        あなたが愛していた高校なのに、
        壊すようなマネするなんて、
        理由を知りたい。どうして、暴走しているのか、
        直接聞くには、警察よりも早く見つけるしかない。
        幸い、まだ警察は到着していない今なら
        ん!? 電話? チビ森からだ、もしもし?」

45  チビ森「武器は、竹刀とか必要だよな?」

46  ドク 「そうだね、武器になるものならなんでもほしい。
        会長は最強だからね」

47  チビ森「そうだな、柔道の顧問も倒したし、
        全国行った空手部の主将も倒してるからな、
        さすまたも必要だよな」

48  ドク 「使えるのなら何でも必要だよ。
        必ず僕たちの手で会長を止めるんだ」

49  チビ森「当たり前だ。なんてったって、あの人が
        俺をクラス振興会に入れた張本人だしな。
        あの人は、俺が背の低いのを気にしてることをバカにしなかった。
        それどころか、俺にしかできないことも教えてくれた。
        背の低いのを短所に考えるんじゃなくて、長所にしろ、って
        教わったよ。俺は、そんな考えを教えてくれた会長がいたから
        振興会に居た。だから、どうしても聞いてみたい。
        どうして、こんなことをしたのか」

50  ドク 「僕も会長に言われたことがある」

51  ガオウ「振興会は、面白い奴ばかりで、頭を使う担当がいなくてな。
        お前は、頭がいいから、良く考えてみんなを導いてくれ」

52  ドク 「会長に頼まれて、振興会に入ったんだ」

53  チビ森「お前もだったのか」

54  ドク 「あ、ごめん。レオさんから電話だ」

55  チビ森「おう、そうか、それじゃ、地理準備室で落ち合おう」

56  ドク 「わかった、待ってるよ」

57  チビ森「それじゃ」

58  ドク 「もしもし、レオさん?」

59  レオ 「ドク、とんでもないモノを見つけたぞ」

60  ドク 「それで会長は止められそうですか」

61  レオ 「止めるも何も、オレの目の前に、ガオウがいる」

62  ドク 「会長が!?」

63  レオ 「今、校庭にいる。だから、オレ1人で止める」

64  ドク 「レオさん1人じゃムリだ。みんなが来るまで待ってください」

65  レオ 「ドク、よく聞け。ガオウは丸腰だ。そして、オレはスコップを持っている」

66  ドク 「でも、全国行った空手部の有段者を素手で倒してるんですよ」

67  レオ 「頼りない武器だが、オレの方が有利なのは間違いなかろう。
        だから、オレが勝つのを祈れ」

68  ドク 「レオさん! レオさん! 無茶だ、1人じゃムリだ。
        待っててレオさん、今、行きますから」

(校庭)

69  レオ 「ガオウ、久しぶりに会ったというのに、挨拶なしか?」

70  ガオウ「ぅぅぅ・・・・・・」

71  レオ 「会話もできないほど、落ちぶれたか。
        まあいい、決着をつけたかったのだ。
        お前をいつか越えると、あの日誓った。
        行くぞおお!!!」

72  ガオウ「ぐあああああああああ!!!!!!!」

73  レオ 「もはや、お前は人間ではない。獣だ、野生の獣そのものだ!」

74  ガオウ「があああ!!! があああ!!」

75  レオ 「お前はオレに言っただろうが! 
        忘れたとは言わさぬぞ!」
(回想)
76  ガオウ「好きな人の隣にいろ。そして、好きなら好きだと素直に言え。
        大声で言えるならなおいい。
        恥ずかしがらずに、自分の気持ちを隠さずにさらけ出せ!」
(回想終了)

77  レオ 「だからオレは、好きな人の隣で毎日毎日、
        自分の気持ちを伝えている。
        お前が、オレを振興会に連れてきたのに、
        どうして狂ったのだあああ!!!」

78  ガオウ「ぐはっ!」

79  レオ 「ひるんだ!? ココしかない!
        連続で攻撃すれば倒れるはずだ!
        くらえー!」

80  ガオウ「へっ・・・」

81  レオ 「刀を出した!? いや、ガオウなら、あり得るか・・・」

(ドクに起こされるレオ)

82  ドク 「レオさん、レオさん」

83  レオ 「あ・・・ドク、か・・・どうして、こんなトコロにいる?」

84  ドク 「よかった、生きてて良かった」

85  レオ 「泣くことはなかろう?」

86  ドク 「だって、血が出てるんですよ、どうしたんですか?」

87  レオ 「ああ、そうか、ガオウに、斬られたのだったな・・・」

88  ドク 「斬られたって何にですか?」

89  レオ 「刀で、お腹を、バッサリだ・・・」

90  ドク 「会長、刀を持ってるなんて、
        止められないじゃないですか」

91  レオ 「ドク、すまぬが、とてつもなく、眠い、
        あとは、頼んだぞ・・・」

(振興会に戻る)

92  ドク 「と、言うわけで、救急車が来るまでレオさんを
        振興会の部屋で寝かせます」

93  チビ森「で、振興会の部屋に俺たちを全員戻してどうするんだ?」

94  ドク 「さっき言ったとおり、会長がここに来るから捕まえようって」

95  福愛 「どうやって捕まえるの?」

96  ドク 「それは・・・」

97  ミコ 「お話が長くなりそうなので、お茶でも飲みながら」

98  チビ森「そんなのんきなことを・・・」

99  ミコ 「私は、私のできることをやれ、と会長に言われたから
        ここに居るんです。私に役目を与えてくれたんです。
        簡単に辞められません」

100 パル 「わたしもです。おいしいお菓子を毎日、用意しろって
        会長に言われたんです。わたしの用意するお菓子を
        いつもおいしいって、会長は笑顔で言ってくれました。
        だから、お菓子でも食べながら話し合いましょう」

101 ミコ 「おかわりが飲めるように、いつでもお湯は沸かしてありますよ」

102 チビ森「こんなときでも、いつもの振興会ってか」

103 福愛 「ドク、話を続けて」

104 ドク 「会長は校舎を徘徊している。理由は分からないけど、
        誰でも襲い掛かる。でも、今、校内に残っているのは
        会長も入れて僕たち7人だけ。だから、全てを見回った後、
        最後に残ったこの振興会の部屋に必ず来るはずです。
        だから、僕たちは会長が来るのを待つだけです」

105 福愛 「ドク、私が知りたいのは、ココに来る理由じゃなくて、
        どのようにして、会長を捕られるかを聞いてるの」

106 ドク 「もちろん、考えてあります。
        まず、会長がドアを開けたとき見えるように
        テーブルの上にお菓子を置きます。
        次にドアの脇で、僕とチビ森がなわとびを使って、
        部屋に入ってくる会長の足を引っ掛けて倒します」

107 チビ森「そんなにうまくいくか?」

108 ドク 「それは大丈夫。パルちゃんの話を聞いて、会長はお菓子に興味が
        少なからず残ってます。だから、足元のなわとびは気づきません。
        で、ここが一番重要です。倒れた瞬間に、
        僕とチビ森が会長を押さえ込みます。
        それと同時に、副会長が刀を蹴り飛ばしてください」

109 福愛 「わかったわ」

110 ドク 「とにかく、武器をどうにか、会長の手から離してください。
        危険は減らしたいですからね。
        なわとびをつかって、手首と足首を縛れば、どうにか抑えられるんで
        縛るのをパルちゃんとミコさんにお願いしてもいいですか」

111 ミコ 「少々怖いですが、がんばります」

112 パル 「わたしもがんばるです」

113 ドク 「では、作戦開始!」


    終了

クラス振興会 3話



原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

《配役》

『ドク』
高校1年生、男、主人公
頭脳担当


『レオ』
高校3年、男
ナレーション、好きなことはスキだとハッキリ言う


『チビ森』
高校2年生、男
小さくて、口が悪い


『福愛(ふくめ)』
高校3年生、女
女好き、会長が一番好き


『ミコ』
高校2年生、女
母性溢れる女神のような女性


『パル』
高校1年生、女
かわいい、マスコット的存在



比率3:3





1   レオ  「猫耳を外し忘れているメイド服を着た
         ロリっ娘パルは、地理の資料室の扉をゆっくり開けた」
         
2   パル  「おじゃましま~す」

3   ミコ  「あ、あんっ・・・
         ドクくん、とても突くのが上手なんですね、はんっ」

4   ドク  「ミコさんの体は、とても興奮するので、
         やりがいがあります」

5   ミコ  「あ~ん、とても、とても
         気持ちいい~、は~ん。もっと、もっと強く突いてください」
         
6   ドク  「こ、こうですか?」

7   ミコ  「うあ~ん、いい、すごくいい。
         こんなの初めて、もう、トロケちゃう」
         
8   ドク  「実は僕、得意な体位があるんですよ。
         ミコさん寝てください。今度は僕が上に乗りますから」
         
9   パル  「2人きりだからって、な、なんて不埒なことしてるんですか!」

10  ドク  「マッサージだけど」

11  パル  「マ、マッサージ、だったんですか?」

12  ミコ  「パルちゃんが来るのを待ってたんですが、
         その間、退屈なのでドクくんに指圧マッサージをお願いしてたんです。
         日頃、副会長には、こき使われていますので、
         それをほぐしてもらおうと思ってやってもらったんですが、
         とても、とても上手で、つい変な声が出てしまいました」

13  ドク  「いやー、僕もビックリだよ。自分にマッサージの才能があったなんて」

14  レオ  「ドクのマッサージは、強烈らしい。パルもやってもらったらどうだ?」

15  パル  「わたしは、体よりも精神が疲れてるので遠慮します。
         それよりも、早く勝負させてください。
         そうじゃないと、メイド服が脱げません」
         
16  ミコ  「では、これで勝負をしましょう」

A    パル  「そ、それは!? レシーブの構え!? 室内なのにバレーをするんですか?」

B    ミコ  「いえ、違います。いつでもスパイクが取れるように構えてるだけですよ」

C    ドク  「いやいや、バレーボールは飛んでこないから、ちゃんと勝負の説明をしようよ」

D    ミコ  「あらあら、まあまあ」

17  ドク  「もう、いいです、僕が説明します。
         やることは簡単、『いっせーのせ』って、
         あるよね。それにパルたちが勝てばいいんだよ」

18  パル  「たちって? わたしとレオさんでチームを組めってことですか?」

19  レオ  「残念だが、それはできん。このゲームで俺は
         ジャッジマンなのだ」

20  パル  「じゃあ、わたし1人で勝負するんですか?
         そんなの不利じゃないですか?」

21  チビ森 「バカヤロー、俺を忘れるな」

22  パル  「夕日に向かって走ってたんじゃないの?」

23  チビ  「いくら走っても夕日には追いつけないと分かって、
         スグに戻ってきたんだよ。
         そんなことより、俺が加われば2対2の公平な勝負ができる」

24  ミコ  「チームもできたところで、
         さらに面白いルールを追加しますね。
         片手を引っ込めるたびに、
         相手チームの負けた人が上半身をすべて脱ぐか
         下半身をすべて脱ぐかにしましょう」

25  チビ森 「それってパルやミコさんも適用されるんだよな」

26  ミコ  「当然です」

27  パル  「そんな、勝手に決めないでください」

28  チビ森 「それじゃいくぜ、いっせーの3!」

29  レオ  「親指を上げているのはミコが1でチビ森が2」
  
30  チビ森 「よっしゃー、勝った!」

31  ミコ  「仕方ありませんね、ルールなので」

32  レオ  「ミコはおもむろに己の巫女服に手をかける」

33  ドク  「待ってくださいミコさん。
         ミコさんが脱がなくても、僕が脱ぎます」

34  ミコ  「そのお気持ちだけ受け取ります。
         親指を上げてしまったのは私なんですから、
         私が脱ぐのは当然です」

35  ドク  「確かにミコさんの脱ぐ姿は見たい、
         凹凸の激しいナイスバディはエロすぎる。
         あ、うん、ごほん。じゃなくて、
         女性を脱がすわけにはいきません」

36  ミコ  「ドクくん、わかりました」

37  レオ  「そして、ドクが上半身、素っ裸で勝負は続行される」

38  ドク  「いっせーの5」

39  レオ  「親指を上げているのは、ドクが2とミコが1とパルが2」

40  パル  「え、ま、負けた。
         どうしよう、チビ森くん」

41  チビ森 「え? 脱げばいいじゃん」

42  パル  「なにそれ!?
         かばってくれないの?」

43  チビ森 「親指上げたのはお前だろ、俺上げてねーんだから、
         自分で責任とれ」

44  ドク  「チビ森、それは酷すぎだろ」

45  ミコ  「男の風上にも置けません」

46  レオ  「どこまでチビなのだ、まったく」

47  チビ森 「お前も言うのかよ。しかも、お前だけ悪口になってるぞ」

48  パル  「この流れならチビ森くん、脱いでよ」

49  チビ森 「あー、もう、わかったよ。
         パルの代わりに脱げばいいんだろ、脱げば」

50  レオ  「チビ森とドクが上半身、素っ裸で勝負続行」

51  チビ森 「今思ったんだけど、これって全然おいしくないぞ」

52  ドク  「なにが?」

53  チビ森 「だってよ、女2人もいて、
         脱いでるのが男だけって、
         全然おいしくないだろ」

54  ドク  「おいしいとかおいしくないとか関係ない。
         女性を脱がすなんて、男としてサイテーだ」

55  レオ  「だが、ドクの本音は?」

56  ドク  「それは、むちゃくちゃ見たいよ。
         僕だって男なんだよ、女性に興味ありありだよ、
         まさに思春期まっさかりだよ。
         でも、本当のこと言ったら嫌われるから、
         仕方なく僕が脱いだんだよ
         ミコさんの巨乳めちゃくちゃ見たいよ
         パルちゃんのちっぱいも見たいよ」

57  チビ森 「大丈夫だ、俺はドクの気持ちが、よーく分かる」

58  ドク  「心読まれたっ!?」

59  パル  「いっせーの、2」

60  レオ  「親指を上げているのは、パルが1と、ミコが1」

61  ミコ  「また負けてしまいました。
         もう私が脱ぐしかありませんね」

62  ドク  「そんなことはさせない。
         ここは、また僕が脱ぐよ」

63  ミコ  「そんなことしたら、ドクがすっぽんぽんになってしまいます。
         見てみたいですけど、ドクに恥をさらすことなんてできません」

64  チビ森 「ミコさん、ドクの裸みたいのか!?」

65  ドク  「そんなのいいんだ、ミコさんが裸になるよりはマシだよ」              

66  ミコ  「分かりました。お互いの意見が食い違い、
         平行線のままでは結論にたどり着けません。
         パルちゃん、私たちの負けです。
         どうか、副会長に会ってください」

67  レオ  「ミコが女神のように微笑みながら紙を1枚差し出す」

68  パル  「ミコさん、ありがとうございます」

69  レオ  「渡された紙の指示は、振興会の部室に来るように書かれていた」

70  パル  「このゲームを終わらせて、
         なんでこんなゲームを始めたのか聞きます」

71  チビ森 「確かに、なんでこんなくだらないゲームを始めたんだろな?
         レオ、何か知ってるか?」

72  レオ  「俺は何も知らん」

73  ドク  「レオさん知らないんですか?」

74  チビ森 「ドクが知らないってことは、ミコさんも?」

75  ミコ  「残念ながら私も知りません。
         でも、たいしたことない理由だと思いますよ」

76  チビ森 「それは言えてるな。
         あーあ、会長が居ればこんな面倒なことしなくていいのに
         早く帰ってこないかな~」

77  レオ  「俺たちは振興会の部屋までたどり着き、
         パルが猫耳メイドの格好のまま、
         緊張の面持ちで、ドアをそーっと開ける」

78  福愛  「ふふふ・・・よく、ここまでたどり着いたな」

79  パル  「副会長、いきなり聞きますが、
         どうしてチアリーダーの格好してるんですか?」

80  福愛  「決まってるでしょ。ミコが巫女の格好してて、
         パルちゃんがメイド服なのに、
         私がコスプレしないってつまらないじゃない」

81  チビ森 「予想通りのくだらない理由だな」

82  ミコ  「あらあら、まあまあ」

83  レオ  「そんなチア姿の福愛がスキだー!」

84  ドク  「レオさんは、相変わらずですね」

85  パル  「それに、こんなゲームをどうして始めたんですか?」

86  福愛  「ふ、決まってるじゃない・・・・・・」

87  レオ  「真剣な眼差しを向ける福愛に、皆が息を呑み、次の言葉を待つ。
         そして、真実を語るために福愛の唇がゆっくりと開く」

88  福愛  「面白いからに決まってるじゃない」

89  チビ森 「やっぱり、くだらない理由じゃねーか!」

90  ミコ  「あらあら、まあまあ」

91  レオ  「でも、オレはそんな福愛が大好きだー!」

92  ドク  「もうヤダ、早く帰りたい」

93  福愛  「さあ、勝負よ、パルちゃん。勝てば制服は返すわ。
         でも、負けたら一生、私の専属メイドさんになってもらうからね」

94  パル  「そ、そんな・・・」

95  レオ  「福愛、オレはお前の娯楽のために働く気はない。
         たとえ、愛する人の言うコトでも、
         オレは、今にも泣き出しそうな女の子を哀しませるような
         ゲセな男ではないぞ!」

96  パル  「レオさん」

97  福愛  「レオ、パルちゃんの制服を持って、こっちにきなさい。
         今なら、ギリギリショットを思う存分撮らせてあげるわ」

98  レオ  「え? マジっすか福愛さん!?
         あとで、ブログに写真アップしてもいいっすか?」

99  福愛  「いいけど、ちゃんと目線入れなさいよ」

100 レオ  「任せてください。いつもやってるんで、大丈夫っす!」

101 チビ森 「レオが簡単に寝返った!」

102 福愛  「さー、パルちゃんこれで勝負するしかないわよ」

103 ドク  「これじゃ、勝負するしかないじゃないか。
         なんて、卑怯なんだ。それに副会長の得意な
         ジャンルで勝負されたら勝ち目なんて・・・」

104 パル  「わ、わかりました。勝負します」

105 福愛  「ふふ、おりこうさんね」

106 ミコ  「じゃあ、勝負の見物ができるように、
         お茶とお菓子を用意しましょう」

107 ドク  「ミコさんは、どこまでもマイペースか・・・
         けど、どんな勝負を?」

108 福愛  「それは、ジャンケンで勝負よ」

109 ドク  「ジャンケンって運任せでいいのか?」

110 福愛  「しかも、1回勝負」

111 チビ森 「もしかしてこれは、48人以上もいるアイドルグループが
         武道館で行われている内容がテレビ放送される程の
         ジャンケン大会をしようというのか!?」

112 福愛  「そう、最後は運任せにしようじゃない。
         神様が運命を決めるなら、文句ないでしょ?」

113 パル  「わかりました。この勝負全力で勝ちます。
         副会長、手を抜かないでくださいよ?」

114 福愛  「もちろん、全力で倒すわ」

115 チビ森 「ジャンケンに全力もなにもないだろ」

116 ドク  「2人とも勝負に燃えてるから
         そんなの気にしてられないんじゃないの?」

117 レオ  「ならば、このオレがジャッジを務めよう。
         チビ森、これを持ってろ」

118 チビ森 「お、おう。って、これってパルの制服だよな?
         あれ? ほんのり温かいような?
         んん? 微かに甘い香りがっ!?
         それに、2万円で手に入れようとした商品が、
         今、俺の手の中にある!
         これって、いいんだよね?」

119 レオ  「チビ森が、パルの制服を持って、部屋を出て行った」

120 福愛  「コラ、マテー! その制服は私のだ!」

121 パル  「違います! わたしの制服です!」

122 レオ  「福愛とパルが、チビ森のあとを追いかける。
         ものの数分で捕まったチビ森が2人から、
         フルボッコされたのは言うまでもない」


          終了


クラス振興会 2話



原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

《配役》


『レオ』
高校3年、男
ナレーション、好きなことはスキだとハッキリ言う


『チビ森』
高校2年生、男
小さくて、口が悪い


『パル』
高校1年生、女
かわいい、マスコット的存在





比率2:1




1   パル  「こんにちは~」

2   レオ  「パルがドアを開けて中に入る」

3   パル  「誰も居ないんですね~
         今日はわたしが1番乗りか~
         ん? なんだこれ?」
         
4   レオ  「パルはテーブルの上に無造作に置いてある1枚の紙を拾い上げた。
         内容は、こうだ。
         パルちゃんへ、かわいいメイド服があったので、着て下さい。福愛より」

5   パル  「副会長、どうしてもわたしに着させたいんですね。
         会長が居れば、副会長の暴走も止められるのに」

6   レオ  「パルはメイド服を手に取り、辺りを見回した」

7   パル  「誰も見てないですよね・・・」

8   レオ  「パルは制服を脱ぎ、メイド服に着替えた」

9   パル  「はひー、ネコ耳もある」

10  レオ  「猫耳を付けたパルは鏡に向かってポーズをとる」

11  パル  「今夜はご主人様をたっぷりご奉仕しちゃうにゃん、
         って、わたしは何をやってるんですか!?」

12  レオ  「あははははは、パルの制服は預かったぞー!」

13  パル  「レオさん! どこから現れたんですか!?」

14  レオ  「ずーっと天井に張り付いておったわ!」

15  パル  「それって、わたしが着替えてるところも見てたってことですか?」

16  レオ  「いかにも!」

17  パル  「レオさんのエッチ! ヘンタイ! スケベ!
         最悪です! 責任とってください・・・」

18  レオ  「安心しろ、パル。俺は、福愛以外の女には、まったく興味がない!
         なぜなら俺は、福愛を愛しているからだー!」

19  パル  「レオさんが、副会長のことが大好きなのは分かってますから、
         制服を返してください」
         
20  レオ  「ダメだ。ゲームに参加しなければ返さん」

21  パル  「なんで、ゲームに参加しなくちゃいけないんですか?」

22  レオ  「それが、福愛の命令だからな、逆らえん。
         まあ、この紙の指示に進んでいけば、福愛に会えるであろう」
         
23  パル  「わかりました、やりますよ」
         
24  レオ  「俺の差し出した紙切れを受け取るパル」

25  パル  「えーっと、理科室に来い、って、これがゲームなんですか?」

26  レオ  「行けば分かるだろう」

27  パル  「メイド服で行けってことですか?」

28  レオ  「まあ、そうだろうな」

29  パル  「行かないという選択肢は?」

30  レオ  「ようし、それじゃ、パルの制服を理科室に持って行こー」

31  パル  「待ってくださーい。メイドの格好で、校内を歩かないといけないなんて、
         いけないなんて・・・もう、どうにでもなれー!」

32  レオ  「俺とパルは理科室にたどり着いた。猫耳を取り忘れているメイドのパルは
         理科室の扉を恐る恐る開けた」

33  チビ森 「よく来たな、パル」

34  パル  「チビ森くん? 副会長は?」

35  チビ森 「副会長にたどり着きたければ、俺を将棋で倒していけ」

36  パル  「将棋ってなに?」

37  チビ森 「コレだ、これ、この盤を見ろ。これが将棋だ。
         そして、俺の作った詰め将棋が解ければ、次に進める」

38  パル  「ごめん、将棋の動かし方がわからないよ~」

39  チビ森 「なに? ったく、しょうがないな~
         それじゃ教えてやるよ、って、
         その手には乗るか!
         俺が教えたら、簡単に詰め将棋を解かれちまう」

40  パル  「ちっ、作戦失敗か。
         でも、動かし方が分からなかったらできないし、
         適当に動かしちゃダメ?」

41  チビ森 「移動できないマスに動かしたら負けだ」

42  パル  「そんなのムリ~、レオさん助けてくださいよ~」

43  レオ  「それはできん。このゲームのルールは、パルの力で
         進まなければならない。だが、1つ提案はある」

44  パル  「それはなんですか?」

45  レオ  「簡単だ、パルの制服を使う」

46  パル  「わたしの制服で何をするんですか」

47  レオ  「まあ、聞けチビ森」

48  チビ森 「なんだよいきなり」

49  レオ  「俺の手の中には、パルの脱ぎたてほやほやの制服がある」

50  チビ森 「な、ななななななななんだってえええええええええええ!!!!!!!!」 

51  レオ  「もちろん、脱ぎたての制服には、パルの甘い香りがぷんぷんする。
         さらに、パルの体温が、ほんのり残っているからホカホカだぞ!」

52  チビ森 「マ、マジかああああああああああああ!!!!!!」

53  パル  「レオさん、そんな交渉やめてください!」

54  レオ  「チビ森よ、このパルの脱ぎたて制服の価値が分かるだろ」

55  チビ森 「わかりすぎるくらい、わかりまくるぜ」

56  レオ  「ならば、このパルの脱ぎたてほやほやで、甘い香り漂うほんのり体温が
         残った先着1名様限りの限定商品を2万でどうーだ!」

57  パル  「売らないでください! 値段がリアルすぎます!」

58  チビ森 「2万は高すぎて、学生の身分ではとても手が出せない。
         だが、お年玉を小学生からコツコツと貯金していた俺は
         簡単に2万円がだせるから、その制服買った!」

59  パル  「買うなー!」

60  レオ  「だが、このゲームが終わったら返さなければならないから
         やっぱり売れん」

61  チビ森 「レオ、俺は怒ったぞ。
         無垢な少年の繊細なガラスのハートは粉々だ。
         くそー、夕日のバカヤロー!」

62  レオ  「チビ森は、泣きながら夕日に向かって走り出した」

63  パル  「チビ森くん、行っちゃったら、この勝負どうなるんですか?」

64  レオ  「試合放棄ということで、パルの勝利であろう。
         しかも、次の場所に行く指示の書かれた紙も置いてあるしな」

65  パル  「よかったー。将棋わからないからどうしようかと思いました。
         さて、次は、どこですか? ん? 地理の資料室?」

         終了
         




クラス振興会 1話



原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

《配役》

『ドク』
高校1年生、男、主人公
頭脳担当


『レオ』
高校3年、男
ナレーション、好きなことはスキだとハッキリ言う


『チビ森』
高校2年生、男
小さくて、口が悪い


『福愛(ふくめ)』
高校3年生、女
女好き、会長が一番好き


『ミコ』
高校2年生、女
母性溢れる女神のような女性


『パル』
高校1年生、女
かわいい、マスコット的存在



比率3:3





1    福愛    「中華丼を調理中だった中華なべから
            龍の如く火炎が燃え上がり、
            家庭科室のカーテンに着火して、
            瞬く間に燃え広がり、もはや火の海です。
            速やかに、授業を中断して、
            ちゅうちょせずに 
            校庭に避難してください」(早口)



2    レオ    「福愛は紙きれをテーブルの上に置いた」

3    チビ森   「副会長! その紙はなんだ!」

4    福愛    「今度、避難訓練あるじゃない、
            全校生徒に放送するセリフよ」

5    チビ森   「何で、そんなにコト細かに言わないといけないんだよ?」

6    福愛    「あのね、このセリフは、教師どもが、何度も直して直して、
            やっと、この形になったの。会長が居ればもっと良くなるんだけど
今は居ないから、コレに決まったってわけ」

7    レオ    「つまらなそうに福愛は紙をヒラヒラさせた」

A     チビ森   「あの会長なら、スパッと綺麗に決めてくれるだろうな。
            もっと、言いやすいようにな」

8    福愛    「このセリフ、はじめは、『家庭科室が火事です』だったのよ。
            ところが、どうして火事になったのか、
            分からないとダメだろう、ってことになって、
           『調理中に火事が起きました』ってなったんだけど、
            どんな料理してたか気になると言い出した奴がいて、、
            そんなの何でもいいじゃん、ってことで味噌汁になって、
            でも、それじゃ、火事にならないだろうって、
            中華丼になったんだけど、もう少し、火が燃え移りそうな
            料理があるはずだ、ってことで、テレビの料理番組で見る
            シェフがフライパンにワインを入れて、
            アルコールを飛ばすときに出る炎が燃え上がる
            過激な料理がいいんじゃないか、って意見が出たんだけど、
            そもそも、高校生が本場のイタリヤ料理作る授業は
            ないだろうって、ことで、結局中華丼になって・・・」(早口)

9   チビ森    「ストーップ! もういい、理由はわかったから」

10  ミコ     「副会長、このセリフって、長すぎませんか?」

11  福愛     「そんなのどう考えたって長すぎよ!
            でも、早口で言えばいいだろうって押しつけられたの。
            ホントにバカじゃないの教師どもは!」

12  レオ     「鬼のような形相で福愛はテーブルに拳を1発入れた」

13  福愛     「しかも、避難訓練だから、
            素早く的確に知らせないと混乱するから
            噛まずに言い切らないといけないのよね~
            ああ、大変・・・」

14  チビ森    「まあ、それも副会長の仕事だからな、頑張れよ」

15  福愛     「なに、言ってるのチビ森くん。
            上からの命令で、我が『クラス振興会』の中で、
            放送する人を決めなさいって言われたの」

16  みんな    「なんだってえええええ!!!!!!!!!」

17  レオ     「福愛以外はイスから立ち上がって驚いた」

18  福愛     「はいはーい、みんな良く聞いて。
            これから、この避難訓練のセリフを
            誰が言うか決めたいと思いまーす。
            ただし、選ばれたくないからって、
            わざと噛んだら、殺す」

19  チビ森    「拒否権は?」

20  福愛     「ない!」

21  チビ森    「そんなー!」

22  福愛     「そんじゃ、存在感の薄いドクから言ってみよう」

23  ドク     「いっさい話に入り込んでなかった僕からなの?」

24  福愛     「当たり前じゃない、あんただって、
            立派なクラス振興会のメンバーなんだから」

25  ドク     「それなら、パルちゃんもお菓子食べてるだけで、
            話に参加してなかったよ」

26  パル     「はひー! わたしですか?」

27  福愛     「パルちゃんは、かわいいから最後なの。
            ドクはつまんないから、もうやらなくていいわ。
            存在がつまらないし、特徴がなさすぎ!
            だから、チビ森、言え」

28  チビ森    「ドクいいな~、言わなくて」

29  ドク     「僕、つまんないし、特徴がないって言われたんだよ
            メンタルのダメージが半端ないよ」

30  福愛     「そう言えば、チビ森の家庭科の担当って誰?」

31  チビ森    「カヤマだけど?」

32  福愛     「なるほど、かやま先生の・・・」

33  レオ     「紙に何かを書いている福愛」

34  福愛     「はいこれでやってみて」

35  チビ森    「なんで付け足してんだよ!」

36  福愛     「いいじゃない。これで、より的確になったじゃない」

37  チビ森    「めんどくせーことすんなよ。
            これを噛まずに早口で言えって、ムリだろ!」

38  福愛     「背も小さいけど、肝も小さい男ね」

39  チビ森    「誰が小さすぎて後ろの席からでも黒板が良く見えるだ!」

40  福愛     「そこまで言ってないし、つべこべ言わずにやりなさいよ。
            あー、喋りつかれて喉渇いた~、
            ミコ、お茶淹れて」

41  ミコ     「はいはい、今、お茶用意しますね~」

42  レオ     「ミコは立ち上がり、部屋の奥でお湯を沸かす。
            ちなみに、ミコは巫女の格好をしている。
            実家がお寺とか神社ではなく、
            巫女の格好が好きだから着ているのだ!」

43  チビ森    「つーか、レオ。さっきから、独り言多すぎだぞ。
            なんで、いちいち俺達の動きを説明してるんだ」

44  レオ     「うるさい、色々と事情があるのだ。
            見ることができないから俺がみんなに
            全てを伝えなきゃならんのだ!」

45  チビ森    「みんなって、誰もいないのに、
            壁に向かって喋ってるだけじゃねーか」

46  レオ     「お前には、100年たってもわからんことだ」

47  チビ森    「なんだよそれ」

48  福愛     「もういいから、さっさとやりなさいよ」

49  チビ森    「わかったよ。
           『加山先生が受け持つクラスの授業中に
            中華丼を調理中だった中華なべから
            龍の如く火炎が燃え上がり、
            家庭科室のカーテンに着火して、
            瞬く間に燃え広がり、もはや火の海です。
            速やかに、授業を中断して、
            ちゅうちょせずに 
            校庭に避難してください』
            よっしゃー! 言い切ったー!」


50  福愛     「まだ足りないわ、この説明文」

51  ミコ     「そうですね~、こんなのは、どうでしょう?」

52  福愛     「おお、いいね~」

53  チビ森    「こらー! 噛まずにちゃんと言えたのに
            何も言ってくれないって、どういうことだ?」

54  ドク     「す、すごかったよ。僕だったら、噛んじゃうよ。
            すらすら言えちゃうって、やっぱり天才だね」

55  チビ森    「ありがとよ」

56  パル     「うわっ、チビ森くん、単純です」

57  福愛     「パルちゃん、コレ読んでみよう」

58  パル     「わ、わたしですか?」

59  福愛     「では、言ってみよう~」

60  レオ     「満面な笑顔で福愛は、困っているパルに紙切れをヒラリと渡す」

61  パル     「で、では、いきます。
           『香川県出身の加山先生は、
            家庭的な男性がいいと
            理想を暴露しているのに、
            彼氏もまったくできず、
            周りの同級生は次々と結婚していき
            行き遅れを恐れる日々が続いている女教師が
            受け持つクラスの授業中に
            中華丼を調理中だった中華なべから
            龍の如く火炎が燃え上がり、
            家庭科室のカーテンに着火して、
            瞬く間に燃え広がり、もはや火の海です。
            速やかに、授業を中断して、
            ちゅうちょせずに 
            校庭に避難してください』
            はひー、なんとか言えました~」

62  福愛     「ベリーグッド! かわいい、そしてかわいい。
            大事なことなので2回言いました。パルちゃん、かわいいー!」

63  パル     「あ、ありがとうございます」

64  福愛     「今夜は、寝かせないぞ」

65  パル     「はひー、副会長にお持ち帰りされます~。
            ペロペロされて、メイド服着せられて、
            人間ドールされます~。
            助けてください、ミコさん」

66  ミコ     「あらあら、まあまあ。
            大変、羨ましいですね~」

67  レオ     「くそー! パルごときに負けられん!
            俺が一番、福愛を愛してるのだー!」

68  福愛     「レオ、キモい。死んで。今すぐ死んで」

69  レオ     「激おこプンプン丸の福愛も大好きだー!」

70  福愛     「うっさい! 次は、レオが言いなさい。
            ただし、噛んだら、裸で校内1周してもらうからね」

71  レオ     「ふん、たやすい。
            先ほどの説明文では生ぬるいので
            俺のアレンジを加えて言い切ってやる」

72  福愛     「いい心がけじゃない。やれるモンならやってみなさいよ!」

73  レオ     「ゆくぞ。
           『香川県出身の加山先生は、
            家庭的な男性がいいと
            理想を暴露しているのに、
            彼氏もまったくできず、
            周りの同級生は次々と結婚していき
            行き遅れを恐れる日々が続いている女教師が
            受け持つクラスの授業中に
            音無という女の子が、
            生き別れの妹にそっくりなことに気づき、
            親の名前を確認したところ、
            一致したため、音無にも生き別れの姉が居ることを知り、
            これは間違いないと確信し、
            感動的な再会を果たしたのだが、
            感激のあまり、手元が狂い油をぶちまけたおかげで
            中華丼を調理中だった中華なべから
            龍の如く火炎が燃え上がり、
            家庭科室のカーテンに着火して、
            瞬く間に燃え広がり、もはや火の海です。
            逃げる最中に、もう一度再会しようと約束した
            加山先生と音無は手を取り合って
            家庭科室をすばやく去るのであった。
            他のクラスも速やかに、授業を中断して、
            ちゅうちょせずに 
            校庭に避難してください』」


74   ドク    「ストーリー重視になってる」

75   チビ森   「負けたぜ」

76   パル    「感動しました」

77   ミコ    「完璧です。文句のつけどころがありません」

78   福愛    「やっぱり、長すぎるから、
           『家庭科室から火事が起こりました』
            にするわ」

79   レオ    「今までのはなんだったのだー!」


終了 



あしたも晴れる 3話 「快晴少女(アスタラビスタ)」

原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

キャラクター紹介(イラストあり)
http://ch.nicovideo.jp/3nen8kumi/blomaga/ar456286


《配役》

天上明日香♀(てんじょうあすか)17歳【ワード数:118】
矢島昇♂(やじまのぼる)17歳【ワード数:63】
天上翔♂(てんじょうかける)26歳【ワード数:69】
森の神様♀見た目10歳の妖精:あだ名は『ミクちゃん』【ワード数:54】
織姫♀(おりひめ)24歳【ワード数:35】
謎の女性♀ 20代半【ワード数:4】




総ワード数:342





性別比率
♂2:♀4



サブタイトル「快晴少女(アスタラビスタ)」



天気:曇

天気:曇



(夜の境内の前)


1    昇     「せっかくの祭りだっていうのに、曇ってるな」

2    ミク    「降水確率80パーセントって天気予報で言ってたわよ」

3    昇     「うわっ、ぜってー雨、降ってくるじゃん」

4    ミク    「雨の祭りも、楽しいわよ~」

5    昇     「いや、楽しくねーよ」

6    明日香   「昇、ミクちゃん、お待たせー」

7    昇     「来るのおせーぞ、明日香…」
 
8    明日香   「へへ~ん、どう? 新しい浴衣、似合う?」

9    昇     「あ、ああ。似合うんじゃないか。スゲー、かわいいよ」

10   明日香   「ホントに!?」

11   明日香M  「ああ、可愛いって言われて、なんか恥ずかし~」

12   昇     「浴衣だけ、かわいいよな~」

13   明日香   「なによそれ~。私には、何か言ってくれないの? 
            お祭りのために、髪を結ったんだよ」

14   昇     「あ? ああ、いいんじゃないか」

15   明日香   「どのへんが?」

16   昇     「さ、早くいこうぜ~」

17   明日香   「ちょっと、待ってよ、昇」

18   ミク    「ふっ、昇、照れてるわね」

19   明日香   「え? そうなの?」

20   ミク    「小娘が、普段と違う姿に、どうしたらいいのか、困ってるのよ」

21   明日香   「え? それってもしかして…」

22   ミク    「さて、祭りを楽しも~と」

23   明日香   「ちょっと待ってよミクちゃん。おいてかないで~」


(夜の境内)


24   明日香M  「この前、雪さんが言ってたけど、攻めたほうが、
            幸せにもなれるし、本物の女性にもなれるらしい。
            けど、昇に攻めるっていっても、
            私は、別に昇のコトを好きだとは思ってない。
            でも、改めて見てみると、かっこよくはなってるし、
            野球部を休むほど、私のお兄ちゃんを一生懸命守ってるし、
            お店の接客だって、私より全然うまいし、私を守ってくれたし、
            なんか、目が離せない存在にはなってるけど、
            これが、恋愛感情なのかな~
            朝から晩まで、昇のことを考えてるような気がするな~」

25   ミク    「じゃあ、なんで浴衣着て、髪の毛も結ったのよ」

26   明日香   「って、ミクちゃん!? ま~た人の心、読んだでしょ?」

27   ミク    「小娘が、じれったいから、神である、あたしが助けてあげる。
            で、なんで、そんなにも着飾ったのよ」

28   明日香   「それは…お祭りだから…」

29   ミク    「あたしに、隠し事はできないわよ。
            本心を喋りなさいよ。       
            ホントは、昇のためにやったんでしょ?」

30   明日香   「!? 確かに、そうかもしれないけど…
            じゃあ、どうすればいいの?」

31   ミク    「昇の手でも握れば?」

32   明日香   「そんなこと言ったって、心の準備ってものがあるよ」

33   ミク    「心の準備って、言ったってね。知らない仲じゃないでしょ?
            あんたは、何年前から昇と知り合いだと思ってるの?」

34   明日香   「それは、幼稚園から、ずーっと一緒だったよ」

35   ミク    「ちょっとは、この関係を変えたいと思わないの?」

36   明日香   「だって、昇だよ?」

37   ミク    「心にウソをつくのだけは、やめなさいよね」

38   明日香M  「ウソって…私は、昇を気になってはいるけど、
            これが好き、って気持ちなのかは、わからない。
            っていうか、昇はどうおもってるんだろう。
            今、一緒にお祭りに来てるけど、楽しいと思ってるのかな?」

39   ミク    「小娘は、楽しくないの?」

40   明日香   「そりゃ、楽しいよ。
            って!? また、心を読んで」

41   ミク    「変化する時なのよ。大人の仲間入りも、間近ね」

42   明日香   「大人って、そんな、私は、まだ…」

43   昇     「なに2人で話してんだ?」

44   明日香   「うんん、なんでもない」

45   昇     「あん?」

46   ミク    「けっ、臆病者がっ」

47   明日香M  「ミクちゃんの言う通り、私は臆病者。
            どうしていいか、わからないし、
            もし、失敗したら、この関係が壊れそうで、大きな1歩が踏み出せない」

48   昇     「まあ、いいか。それにしても、結構、人がいるな」

49   明日香   「それは、そうでしょ。年に1度のお祭りなんだから。
            これってさ、神様を祝ってるのかな?」

50   ミク    「そりゃそうでしょ。島のお祭りなんだから、この御宮島(みぐうじま)の神様である、
            あたしのための祭りなのよ。あんたたち、おおいに盛り上げなさい」

51   昇     「盛り上げる以前に、俺たちは、大事な使命がある」

52   明日香   「そのとおり、今日まで、お兄ちゃんを守るってコト」

53   昇     「今日を無事に乗り越えればいいんだけど、
            明日香、翔兄は、どこにいるんだ?」
 
54   明日香   「え? 私は浴衣に着替えるから、先にお兄ちゃん行ってるって言ってたよ。
            たぶん、この境内のどっかに居るよ」

55   昇     「手遅れになる前に、合流しよう。明日香、翔兄に電話しろ」

56   明日香   「そうだね、どんな危険が待ってるかわからないから電話するよ」


(電話での会話)


57   翔     「はい、もしもし」

58   明日香   「お兄ちゃん、今、どこにいるの?」

59   翔     「お祭りだよ。家を出る前に言ったんだけどね」

60   明日香   「それは、わかってるけど、お兄ちゃんと合流しようかと思って」

61   翔     「昇もいるんだよね?」

62   明日香   「今、一緒にいるけど」

63   翔     「じゃあ、2人で楽しめばいいよ。
            僕がいると邪魔になっちゃうからね」

64   明日香   「そんなことないよ。私は、お兄ちゃんとも一緒に、お祭りを楽しみたいよ」

65   翔     「明日香、いつまでも僕と一緒には居られない。
            いつかは、特別な人と過ごすんだ」

66   明日香   「なにいってるの…?」

67   翔     「はあ~…どうして、電話なんかに出たんだろう?
            うんん…あ~、そうか、最後に話したかったのかもしれないね…」

68   明日香   「あの、お兄ちゃん、それってどういう意味?」

69   翔     「いや、さっきのことは忘れていいよ。
            明日香も、お年頃なんだから、2人で楽しむんだよ、それじゃ」

(電話の会話終了)


70   明日香   「あ、切れた」

71   昇     「翔兄、なんて言ってた?」

72   明日香   「2人で楽しめって」

73   昇     「は? なんだそりゃ? で、肝心の居場所は?」

74   明日香   「ごめん、わからない」

75   昇     「はあ、なんだそりゃ? それじゃ、電話した意味ねーじゃん」

76   明日香   「あと、お兄ちゃん変なコト言ってた」

77   昇     「ヘンナコト?」

78   明日香   「えっとね、〝なんで電話に出たんだろう〟とか
            〝最後に話をしたかったのかもしれない〟とか」

79   昇     「なんだそりゃ? ますます、訳わかんねー」

80   ミク    「とうとう、来てしまったのね…」

81   明日香   「ミクちゃん? 難しい顔して、どうしたの?」

82   ミク    「小娘のお兄ちゃん…今、精神が、カナリやばいわよ」

83   明日香   「ミクちゃん、お兄ちゃんの精神がヤバイって、どういうこと?」

84   ミク    「小娘のお兄ちゃんの死が近いわ」

85   明日香   「そんな、どうして?」

86   ミク    「1つ、あんたたちに訊くけど、小娘のお兄ちゃん、
            命の危険を感じる事故に遭遇したことが、今までにあった?」

87   昇     「店では、ずっと見張ってたが、1度もなかったな。
            明日香は、どうだ? 家に居て、なんかあったか?」

88   明日香   「うんん、別に、命の危険を感じる事故はなかったよ」

89   ミク    「ホント、あんたたちは平和な頭してるわね~」

90   明日香   「それってどういう意味?」

91   ミク    「人の死へと結びつくパターンは、他にもあるでしょ?
            あんたたちは、その見落としているパターンを考えてないのよ」

92   明日香   「見落としてるって、何があるの?」

93   ミク    「人が死に結びついてしまうパターンは、病気で死ぬか、
            予期せぬ事故で死ぬか、決められた命の時間が亡くなったか…
            それともう1つ」

94   昇     「はっ!? そいうことか!?」

95   明日香   「え? 昇、わかったの?」

96   昇     「俺たちは、不慮の事故が起こるのを防ごうとしていたけど、違ったんだ」

97   明日香   「え? 違うの?」

98   昇     「そうか、翔兄が自ら命を絶つ可能性もあるんだ」

99   明日香   「そんな!? お兄ちゃんが、自殺だなんてありえない」

100  昇     「考えてみろ。思い当たるふしがあるんじゃないか?」

101  明日香   「も、もしかして…織姫さんのコト?」

102  昇     「やばい、急がないと、翔兄、死ぬぞ。もう1回電話しろ!」

103  明日香   「うん、わかった」


(電話をかけている)


104  明日香   「お兄ちゃん、早く出て。どうして、出てくれないの?」

105  昇     「どうした? 出ないのか?」

106  明日香   「ダメ。何度かけても留守番電話になっちゃう」

107  昇     「ああー、もう! 居場所さえわかれば、どうにでもできんのに
            どこに行けばいいのか、見当もつかねー。
            おい、神様! 翔兄の居場所わからないのか?」
   
108  ミク    「あのね~、前にも言ったけど、神様は万能じゃないの」

109  昇     「なんだよ、使えねーなー」

110  ミク    「人間ごときに、使えねー、とか言われるなんて、ムカツク!」

111  昇     「神様のくせに、なんか力使えよ」

112  ミク    「人を探す力はないの。小娘、あんたのお兄ちゃんから、何か聞いてないの?」

113  明日香   「え? 先に、お祭りに行ってるしか、言ってなかったけど」

114  ミク    「そうじゃなくて、祭りの思い出とかよ。人間は、思い出の場所、ってのに必ず行く。
            こんなイベントなんだから、なんかしらのエピソードがあるでしょ」

115  明日香   「そんなこと、急に言われても…う~ん…」

116  昇     「翔兄の命がかかってるんだからな」

117  明日香   「わかってるけど、そんな、簡単に思い出せないよ。う~ん…」

118  昇     「それでも、がんばって、思い出せ! 頼れるのは、お前しかいないんだぞ!」

119  明日香   「んん…あ、もうしかして、あれかな?」

120  昇     「思い出したのか!?」

121  明日香   「うん、前に、お兄ちゃんと織姫さんが、2人でお祭りに来た話を聞いたの。
            そこで、お兄ちゃんは、蛍を見たんだよ」

122  昇     「ほたる?」

123  明日香   「そう、この境内の奥にある湖は、蛍が見られるんだけど、
            そこに、お兄ちゃんが居るかもしれない」

124  昇     「よし、とにかく、その湖に行こう」

125  明日香   「うん、早く行こう。なんか、胸騒ぎがするよ」


(森の中)


126  昇     「おい、明日香。本当に、湖があるのか?」

127  明日香   「本当だよ、私だって、お兄ちゃんと来たことがあるんだから」

128  ミク    「そうそう、この湖は綺麗で、輝く蛍が美しいのよね~
            知っている人間は少ないけど」

129  昇     「でも、本当に翔兄が、湖にいるのか?」

130  明日香   「そんなの、行ってみなきゃ、わからないよ」

131  昇     「とにかく、信じるしかねーのか。頼む、翔兄、いてくれ」

132  明日香   「あと、もう少しで、湖に着くよ」


(湖)


133  昇     「お? 広いとこに出た。ここが、湖か?
            暗くて、よく見えないな」

134  明日香   「森を抜けたし、水の匂いがしてるから、湖に着いたはず。
            あっ!? あの明かり、人がいる。あれって、もしかして…」

135  昇     「翔兄!」

136  翔     「あれ? 明日香と昇じゃないか、どうしてココに?」

137  明日香   「それは、こっちのセリフだよ。なんど、電話しても出ないし、
            お兄ちゃん、どうして、誰もいない湖に1人でいるの?」

138  翔     「それは…ずーっと前に、織姫と来てね。
            一緒に蛍を見たから、もう一度、来てみたんだ。
            けど、蛍は居ないね。どうしてかな?」

139  明日香   「まさか、お兄ちゃん…湖に、飛び込む気じゃないよね?」

140  翔     「ははっ。そんなことあるわけ…」

141  明日香   「じゃあ、なんで、ここに来たの?」

142  翔     「それは…」

143  明日香   「織姫さんのことを、まだ想ってるからでしょ?
            だから、思い出の場所に来たんでしょ?」

144  翔     「……」

145  明日香   「お兄ちゃん、前に言ってたよね。
            お祭りの日に、織姫さんと神社の湖に行って、
            光る蛍をいっぱい見れて綺麗だった、って、嬉しそうに話してくれたよね?」

146  翔     「……」

147  明日香   「その話を思い出したから、お兄ちゃんは、ここに居ると思って来んだよ
            そして、お兄ちゃんは、湖に居る。
            これって、やっぱり、織姫さんの思い出があるから、来んだよね?」

148  翔     「明日香の言うとおりだよ。
            織姫との思い出があるから来んだ。
            けど、やっぱり来ちゃダメだったよ。
            忘れたいのに、忘れられないんだ…」

149  翔     「もう、嫌なんだ! 終わらせたいんだ! 
            こんな想いも! こんな体もいらないんだ!」

150  明日香   「お兄ちゃんっ! 落ち着いて!」

151  翔     「消したいのに、消えないんだ! 
            全然、消えないんだよ!
            だからもう、僕は生きていたくないんだ!」

天気:雨


152  明日香   「生きていたくないって…死ぬってコト?」

153  翔     「そうだよ、明日香。僕は、この湖に入って、
            織姫の所へ行くんだよ」

154  明日香   「何をバカなコト言ってるの!?
            私はどうなるの!?
            残された人たちは、どうすればいいの!?」

155  翔     「僕は、いくつもの痛みを抱えすぎたんだ。
            だから、これ以上、痛みを増やさないように、終わらせるんだよ」

156  明日香   「お兄ちゃん、バカなマネはやめて!?」

157  翔     「明日香に、僕の気持ちがわかるのかっ!?」

158  明日香   「そ、それは…」

159  翔     「ほら、答えられないだろ」

160  昇     「翔兄。俺の親父は5年前に死んだ。
            もう、これ以上、大好きな人たちを失いたくない。
            だから、こっちに戻ってきてくれ」

161  翔     「昇のお父さんが死んだコトは知ってるよ。
            けどね、僕の方が、想っていた時間は長いんだ。
            もう楽にさせてくれ。わがままな兄で、ごめんよ、明日香…」

162  ミク    「2人とも早くしろっ! 翔は死ぬ気よっ!」

163  昇     「マズイっ!?」

164  明日香   「お兄ちゃんっ!?」


(駆け出す2人)


165  翔     「さようなら…」

166  明日香M  「間に合わない――
            お願い… 助けて、神様…」


(ミクが神の力を発動する為の呪文)


167  ミク    「信仰の断りのもと、森羅の神が命ずる。冥界から蘇り、この地へ降臨せよ」


(神の力発動。杖を振るう)


168  織姫    「翔」


(織姫が翔の腕を引っ張る)


169  翔     「え?…」

170  明日香   「織姫…さん…」

171  昇     「織姫さんが…いる!?…」

172  翔     「織姫…どうして、織姫が、ここに?」

173  明日香   「これって、もしかして…」

174  ミク    「あたしが、あの世から呼んだのよ」

175  明日香   「それじゃ、本物の織姫さんが…」

176  織姫    「懐かしいね、翔。ここで一緒に、綺麗な蛍を見たよね」

177  翔     「そんなはずない。織姫が居るわけない」

178  織姫    「そうだよ、翔。もう、私は、翔の世界に居ないんだよ」

179  翔     「じゃあ、ここにいる織姫はなんなんだ!? 
            僕に、織姫の姿を見せてどうする気だ!?」

180  織姫    「伝えに来たの」

181  翔     「つたえにきた?」

182  織姫    「翔に、とっても、とっても大切なことを」


(翔の高校生時代)


183  翔N    「僕の高校に、新しい先生が来た。
            御宮島(みぐうじま)に、本州から人が来るなんて珍しかった。
            しかも、若い女性なので、男共は盛り上がった。
            けど、僕は、そんなのどうでも良かった」

184  織姫    「今日から、この学校の教師になりました。
            みんなと、早く仲良くなりたいです。
            よろしくお願いします」  

185  翔N    「そして、僕と織姫は出会って、しまった」


(金属バットの音、カキーン)
(野球ボールが、音楽室に入った)


186  翔     「ピアノの音?」


(音楽室でピアノを弾いている織姫)
(転がってきた野球ボールを拾う織姫)


187  織姫    「これ、キミのボール?」

188  翔     「は、はい」

189  織姫    「キミ。野球部なの?」

190  翔     「ええ、そうですけど」

191  織姫    「ポジションは?」

192  翔     「いちお、ピッチャーです」

193  織姫    「ピッチャーって、すごいね」

194  翔     「野球部は、9人しか居ないんですけど、
            それでも、甲子園目指してるんです。
            甲子園に行けたら、島にとっては初出場になるんです」

195  織姫    「へー、そうなんだ~。私は、頑張ってる人って、好きだな~」

196  翔N    「こうして、放課後は、毎日のように会って、
            自然と仲良くなって、色々と話すようになった」

197  織姫    「あのさ、島を案内してほしいんだけど、いい?」

198  翔     「ああ、かまわないよ」

199  織姫    「じゃあ、今度の日曜日は、どう?」

200  翔     「ちょうど、部活も休みだから案内できるよ」

201  織姫    「ああ、よかった。私、この島に、1人も知り合いが居ないの。
            それで、この島って、緑が多いでしょ? 
            海も綺麗だし、いろいろと見てみたいな~、って、
            この島に来たときに思ったの。      
            だから、色々と綺麗な場所を案内してくれる人を探してたんだ」

202  翔     「それなら、オバケ岬に行こう」

203  織姫    「お、なんか、面白そうな名前だね~」

204  翔     「暗くて、危険な場所だから、人が近寄らないように、
            オバケ岬って、みんなが呼んでるんだけど、
            面白い色した魚とか泳いでたり、
            海に太陽の光が反射して、宝石みたいに綺麗なんだよ」

205  織姫    「へえ、そうなんだ。行くのが楽しみ~」

206  翔N    「そして、僕たち2人で島巡りをした。
            夕日の沈む海を眺めながら、僕達は特別な関係になった」
       
207  織姫    「私は、1人暮らしだから、不安だった。
            でも、翔がいたから、平気になった。
            ありがとう」

208  翔N    「そういって、微笑んだ彼女の横顔は少女のように可憐だった。
            織姫は、音楽の教師で、島でやってる合唱サークルの顧問をやらされている。
            そして、全国大会に出場する為、彼女は悩んでいた」

209  織姫    「町長さんが、張り切っちゃってね。全国目指すんだ! って
            私、この島に来たばかりなのに、たくさんの初めてをやらされてるよ。
            うまく、できるかな?」

210  翔     「大丈夫だよ、織姫なら、うまくできるよ。
            悩みとかあるなら、僕に、なんでも言って。恋人同士なんだからさ」

211  織姫    「ありがとう。翔は優しいね。
            私、優しい人は好きだよ。ふふっ」
 
212  翔N    「あの時、もっと話を聞いとけばよかった。
            僕も、野球部の練習で忙しかった。
            織姫も、慣れないことをやらされて、悩んで苦しいのは、わかっていたけど、
            2人だけの時間が足りなかった」     

213  織姫    「あなたは、わかってると思ってたのに!
            どうして、わからないの!」

214  翔     「僕だって、キミに構ってる暇はないんだ!
            野球部が、大切な時期だって知ってるだろ!?」

215  翔N    「織姫は、全国大会のことで、不安と不満が溜まっていた。
            そして、ついに倒れてしまった。
            入院して、安静にしろと医者に言われた。
            織姫は、御宮島に、たった独りで来た。
            そして、頼れるのは、恋人である僕しかいない。
            一番、近い存在で、一番の理解者なのに、
            僕は…織姫を理解できず…罪を作った…」

(病院)


216  織姫    「私、ガンだって。
            人間って、強くないんだね」

217  翔     「すまない、キミの体が蝕んでるなんて、
            まったく気づけなかった。ごめん」

218  織姫    「気にしないで。あなたのせいじゃない。
            私が、全部、いけないんだから」

219  翔     「いや、僕が、もっと織姫を、ちゃんと見ていれば、
            こんなことにはならなかった…」

220  織姫    「心配しすぎ。
            病院の先生だって、もう少しで退院できるって言ってたから、大丈夫」

221  翔N    「だが、織姫の言葉は、現実には、ならなかった。
            当然、全国大会へは行けなかった。
            しかも、予選で負けて、織姫は余計に責任を感じて、
            体調が、急激に悪化していき…」

(現代)


222  翔     「織姫…キミは、死んだんだ…
            今更、僕に、何を伝えるって言うんだ?
            目の前に姿を現して、何がしたいんだ!?」

223  織姫    「だって、まだあなたは、私を想っている」

224  翔     「そ、それは、僕が織姫を殺したようなもので…
            恋人なのに、守ることができなかった…
            もっと、キミのことを気にかけていたら、
            こんなことには、ならなかった…」

225  織姫    「いつまでも、私を想ってくれるのは、とても嬉しい。
            だから私は、あなたのコトを好きになったんだと思う。
            私は後悔してないよ、好きな人が翔で良かった」

226  翔     「僕だって、織姫を好きになれて良かった。
            後悔なんかしてない。ウソじゃない、本物の気持ちだよ」

227  織姫    「けど、私に縛られたままで、あなたが幸せにならないのは、もっとイヤ」

228  翔     「なら、どうすればいいんだ!?
            10年も経つのに、いまだに忘れられないんだ!?
            あの時、キミを救えたかもしれないのに!?
            織姫を助けることが、出来たかもしれないのに!?
            僕は…僕は…少しも、力になれなかった…」

229  織姫    「翔、あなただけが、辛いんじゃない。
            私だって辛い。
            私のせいで、翔が幸せにならないなんて、耐えられない」

230  翔     「はっ!? …織姫も、辛い…」

231  織姫    「あのね、翔。私を忘れなくていいんだよ」

232  翔     「え?」

233  織姫    「でもね、私は、あなたの世界に居ない。
            どうやっても、現実にいる人の方が、存在の力は強いんだよ。
            だから、現実の世界で幸せを作って。
            そうすれば、私の姿は弱くなって、
            現実が大きくなって、かけがえのない存在に変わるんだよ」

234  翔     「何言ってるんだ!? 織姫意外に考えられない!
            だから、いまだに僕は…」

235  織姫    「私が、翔の立場になったら、そんなことはしない」

236  翔     「しないって…どうして?」

237  織姫    「もし、翔が居なくなっても、私は翔の分まで幸せになる。
            だって、私は頑張る人が、好きだから。
            それに、人間が不幸に生きるなんて、そんな人生もったいない。
            1度しかない人生なんだから、棒にふるようなコトしないで」

238  翔     「そんなこと、知ってるよ…知ってるけど…」

239  織姫    「だからね、私の心の中で、翔が生きてればいいんだよ。
            いつまでも、心を曇らせたまま生きてるなんて、ダメだってわかるでしょ?
            あなたは、あの時のままじゃなくて、すでに立派な大人なんだから進まなきゃ。
            過去に囚われたまま生きないで、未来を望みながら生きて。
            私は、そんな翔が、心の底から大好きです。
            出逢ってくれて、ありがとう…」

240  翔     「織姫…僕は…僕は…
            君に出会って良かったよ。
            心から言えるよ。
            本当に、ありがとう…」

241  織姫    「ねえ、明日香」

242  明日香   「な、なんですか、織姫さん?」

243  織姫    「翔は、もう大丈夫だと思うけど、
            心配だから、最後まで、よろしくね」

244  明日香   「は、はい! 任せてください」

245  織姫    「ありがとう、私の可愛い妹さん。
            そして、小さな神様もありがとう。
            また、翔に逢わせてくれて。
            とっても、うれしかった」

246  翔     「神様?」

247  明日香   「そうなんだよ。お兄ちゃんには、見えないけど、
            ここに、ちゃんといるんだよ」

248  翔     「神様か…明日香には見えてるんだね。羨ましいな。
            神様、織姫に、逢わせてくれて、ありがとう。
            せっかく、貰った僕の命。未来のために使います」




       
天気:快晴


(翌日の店内)


249  昇     「翔兄、お世話になりました」

250  翔     「こちらこそ、ありがとう」

251  明日香   「お兄ちゃん、お世話になりました」

252  翔     「はい、ご苦労さま」  

253  昇     「やっぱり、明日香も辞めるのか」

254  明日香   「だって、お祭りのために働いてたんだもん。
            これからは、沢山、遊ぶの」

255  翔     「まあ、高校生の夏休みは貴重だからね。
            働くより、遊んだほうがいいよ」

256  明日香   「さすがお兄ちゃん。よくわかってる~」

257  昇     「さ~て、俺はこれから、野球部の練習だ~」

258  明日香   「がんばってね」

259  昇     「当たり前だ。甲子園、目指してるんだからな」


(カウンター)


260  翔     「いらっしゃいませ。ご注文は、何にいたしますか?」

261  謎の女性  「あの、えっと…コーヒーをください」

262  翔     「かしこまりました。少々、お待ちください」 


(店内奥)


263  昇     「もう、帰るのか?」

264  ミク    「だって、小娘のお兄ちゃんの命を守ったんだから、
            あたしが居る意味ないでしょ?」

265  昇     「確かに、そうだけど」

266  明日香   「なんだか、寂しくなるね~」

267  ミク    「あのね~、本来の生活に戻るだけでしょう」

268  明日香   「それはそうだけど、なんかね」

269  昇     「神様が居る生活も、なかなか面白かったしな」

270  ミク    「あ、そうそう。あたし、本当は、未来なんて見れないの」

271  明日香   「えええ!? じゃあ、なんでお客さんの注文を当てたのよ?」

272  ミク    「そんなの、心を読んだからよ」

273  明日香   「ああ、なるほど~。そういうことか~」

274  昇     「ああ~…騙された俺は、一番情けねー…」

275  明日香   「でも、なんでお兄ちゃんがお祭りまでに死ぬってわかったの?」

276  ミク    「翔は、織姫のコトを強く思っていた。
            それと同時に、抱えきれないほど、辛さを積み重ねた。
            楽になるには、死ぬしかなかったのよ」

277  明日香   「でも、お祭りまでに死ぬって、なんで言い切れたの?
            未来が見えないのに?」

278  ミク    「きっかけがあれば、翔は、いつでも命を捨てるつもりだった。
            お祭りというイベントと、織姫の思い出がある、
            特別な日を選ぶのは心を読まなくても推測できるわ。
            そのきっかけが、小娘と昇が喫茶店で働き初めて、明日香が昇を好きだと
            思って、翔は織姫の思い出がよみがえった」

279  明日香   「ああ~、そういうことか~
            そこまで考えてたなんて、ミクちゃん凄いね」

280  ミク    「あたしは、翔のために出てきたわけじゃないの!」

281  明日香   「え?」

282  ミク    「小娘、あんたのために出てきたの」

283  明日香   「私のため?」

284  ミク    「あんたは忘れてるかもしれないけど。
            幼稚園でブランコの取り合いでケンカしてたとき、
            昇が助けてくれたでしょ。
            それから、あんたは昇のことが好きになったの」
 
285  明日香   「んん…? そんあことあったかなぁ?
            あんまり、覚えてないよ」

286  ミク    「でも、あんたは昇のことが好きだって気持ちは変わってないはずよ」

287  明日香   「変わるも何も私は――」

288  ミク    「あんた、昇が出てる野球の試合に毎回応援行ってるでしょ」

289  明日香   「うん」

290  ミク    「昇が練習してる姿、いつも見てるでしょ」

291  明日香   「うん…」

292  ミク    「昇のためなら、力になりたいと思ってるでしょ」

293  明日香   「そりゃあ、思ってるけど…」

294  ミク    「それだけあれば、十分でしょ」  

295  明日香M  「もしかして…そうか、そうだったんだ。
            私は、昇のこと、好きだったんだ。
            私は、幼馴染だから、昇のことは良く知っている。
            だから、がんばってる昇の姿を、いつも追っていた」

296  ミク    「ホント、気づくの遅すぎ。
            だからあたしは、あんたの臆病を直してあげたの。
            翔を助けるために、昇と協力すれば本当の自分の気持ちに
            気づくと思ったから手を貸してあげたの。
            あ~あ、こんな人間のために、なんで力つかってんのよあたしは。
            あー、もったいないコトしたわ」

297  昇     「さっきから、2人だけで何、話してんだよ」

298  明日香M  「うわ!? なんか、昇の顔見れない」

299  ミク    「乙女の会話に男が首突っ込むものじゃないの!」 

300  昇     「なんだよそれ~」

301  ミク    「ふふっ、そろそろ帰るわね。
            あんた達と遊べて楽しかったわ。それじゃーね~」

302  明日香   「待って、ミクちゃん!」

303  ミク    「なによ、小娘」

304  明日香   「湖で、お兄ちゃんを助けてくれてありがとう。
            やっぱり、ミクちゃんは優しいね」

305  ミク    「小娘が頼りないから、神の力を使っただけよ」

306  明日香   「ホント、素直じゃない神様。
            また会えるよね?」

307  ミク    「ふんっ、そんなの、当たり前でしょ。
            あたしは、この御宮島(みぐうじま)の神様なのよ。
            いつだって、あんた達のそばに居るんだからね」

308  明日香   「そっか、そうだよね。ミクちゃんは、御宮島の森の神様だもんね。
            でも、やっぱり寂しいよ」

309  ミク    「悲しい顔しないの。
            あんたは、笑顔でいるのが素敵なんだから」

310  明日香   「ミクちゃんが…最後に褒めた…」

311  昇     「へ~、気の利いたことするじゃねーか」

312  ミク    「あと、小娘。自分の心にウソつくんじゃないわよ。
            神様の目は誤魔化せないんだから。
            心の言葉を素直に受け止めたら、あんたの目標は達成できるの。
            未来は神様だって作れないのよ。
            だから、理想の未来を掴む為に、命を繋ぎなさい。
            それじゃ、明日香、昇、バイバ~イ」

313  明日香   「バイバイ、私たちの神様」

314  昇     「じゃーな、俺たちの神様」


(森の神様、空へと消える)


315  明日香   「行っちゃった…」

316  昇     「ああ、行ったな。でも、面白い神様だったな」

317  明日香   「口は悪かったけど、楽しかった。
            優しい神様だった。助けてって頼んだら、
            お兄ちゃん助けてくれたし」

318  昇     「最後にあいつ、心にウソをつくなって、言ってたけど、
            アレって、どういう意味だ?」

319  明日香   「そんなの、女の子同士の秘密なの」

320  昇     「は? なんだそりゃ? 教えてくれたって、いいだろうがー」

321  明日香N  「それは、ごく普通の女子高生とミクちゃんという神様との約束だから、
            昇には教えるわけにはいかない。
            だって、昇が知ったら、うまくいかないもんね」

(カウンター)


322  謎の女性  「このコーヒー美味しいですね」

323  翔     「ありがとうございます」

324  謎の女性  「あの、私、今日、御宮島(みぐうじま)に来たばかりで、
            働くところを探してるんです。
            ついでに言うと、1人暮らしできる部屋も探してます。
            このカフェって、従業員、雇ってますか?」

325  翔     「えっと、その…申し訳ないですが――」

326  明日香   「お兄ちゃん。私と昇、2人の従業員が居なくなったんだよ。
            補充しなきゃ」

327  翔     「あ…ああ。そうか、そうだね。新しい従業員が必要だよね」

328  謎の女性  「やったー! このお店の雰囲気、いいですよね。
            オシャレですよ。あなたが、やったんですか?」

329  翔     「ええ、そうですよ。いちお、僕、店長なんで」

330  明日香   「お兄ちゃんが、笑った」

331  昇     「もう、過去に縛られてないようだな」

332  明日香   「よかった。なんか、晴れたような笑顔だよね」

333  昇     「なんだ、その表現は?」

334  明日香   「いいでしょ。いつもは、困ったような笑顔だったけど、
            今は太陽みたいな眩しい笑顔のお兄ちゃん。
            私は好きだよ。いつまでも、あの笑顔が続くといいな~」

335  昇     「ああ、確かにな」

336  明日香N  「ミクちゃん、本来の生活に戻ったけど、
            新しい生活が始まるよ。
            私は、なんだかワクワクしてるんだ。
            だって、これから素敵なことが、いっぱいあるんだもの。
            だからね、私、頑張るよ。自分の心にウソをつかないように生きるよ。
            そうすれば、幸せな未来がつかめるんだよね。
            だから、いつまでも見守ってよね、私たちの神様」





       ―最終話、終了―




337  昇   「お供え物もしたし、」

338  明日香 「ミクちゃん、喜んでるね」

339  昇   「アイツのニヤケ面が想像つくけどな」

340  明日香 「それじゃ、おばけ岬に行こう」

341  昇   「おう、行こうぜ」

342  ミク  「ふふっ、やっぱり、人間は面白いわね~」



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あしたも晴れる 2話 「愛の結晶(ヴィオトポス)」

原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

キャラクター紹介(イラストあり)
http://ch.nicovideo.jp/3nen8kumi/blomaga/ar456286


《配役》

天上明日香♀(てんじょうあすか)17歳【ワード数:131】
矢島昇♂(やじまのぼる)17歳【ワード数:42】
天上翔♂(てんじょうかける)26歳【ワード数:39】
森の神様♀見た目10歳の妖精:あだ名は『ミクちゃん』【ワード数:55】
雪♀(ゆき)26歳【ワード数:59】
雹♂(ひょう)26歳【ワード数:11】




総ワード数:338




性別比率
♂3:♀3




サブタイトル「愛の結晶(ヴィオトポス)」




天気:晴天


(祠の前)


1   明日香  「はあ~…今日も暑いな~
          なんでこんなに暑いんだろ? まあ、夏だからしょうがないんだけど、
          太陽頑張りすぎでしょ。少しは休んでよね~
          お店に行くだけで汗だくになっちゃうよ。
          けど、暑くないとお客さん来ないんだよね~
          ああー! どうしたらいいんだろ~
          おっと、お地蔵さんだ。今日も拝んでいこう~」


(地蔵の前で拝む)


2   明日香  「今日も、平和にお仕事できますように。
          あと、お兄ちゃんが、今日も生きていけますように、お願いします。
          って、私、神様見えるんだから、改めて拝む意味あるのかな?
          あとで、ミクちゃんに聞いてみよう、っと」
           
3   ミク   「呼んだ?」

4   明日香  「うわっ! ミクちゃん!?」

5   ミク   「偉いじゃない、ちゃんと拝んでるなんて」

6   明日香  「へへ、バイト始めてから、毎日拝んでるんだよ~」

7   ミク   「そんなの知ってるわよ。だって、その地蔵は、あたしなんだから」

8   明日香  「やっぱりそうだったんだ」

9   ミク   「それよりも、こんな所で、油売ってていいの?」

10  明日香  「やばい! 時間ギリギリだ! お兄ちゃんに怒られないうちに、早く行かないと!」


(店内)


11  明日香  「いらっしゃいませ! 天上庵へ、ようこそ! お好きな席へ、どうぞ」

12  明日香M 「ふふ…お兄ちゃんのカフェで働き始めてから5日目。だいぶ、接客に慣れてきたぞ。
          これで、お小遣いアップも間違いなしだね」

13  ミク   「お小遣いアップする訳ないでしょ」

14  明日香  「うわっ!? ミクちゃん!! ちょっと、人の心読まないでよ」

15  ミク   「あたしは神様なんだから、人間の心くらい読めるわよ」

16  明日香  「すごいな~、やっぱりミクちゃんは、『森の神様』なんだね~
          予言も当たるし、人の心も読めちゃうなんて、サイコーだね」

17  ミク   「はあ~…あんたね~、神に名前を付けて、堂々と呼んでる小娘が憎たらしいから、
          心を読んで、ワザとイジメてるのよ」

18  明日香  「ホント、可愛くない、神様! なんで、こんなにも口が悪いんだろ」

19  翔    「明日香~、なにブツブツしゃべってるんだい?」

20  明日香  「わ、私、コップ洗ってくるね~」


(店内奥)


21  明日香  「は~、危なかった~。やっぱり、お店の中でミクちゃんと喋ってると、
          変に思われるよ」

22  ミク   「当たり前でしょ。あんたと昇しか、見えないんだから」

23  明日香  「それはそうなんだけど。ミクちゃんが、話しかけたからじゃん」

24  ミク   「勝手に、あんたが喋ってるの」

25  明日香  「あのね~。ミクちゃんが、意地悪するからでしょ!」

26  ミク   「ふん! やめないわよ。面白いんだから!」

27  明日香  「面白いからって、人の迷惑考えてよね。このヘッポコ神様!」

28  ミク   「あんた、神に向かって、ヘッポコってなによ!」

29  明日香  「人間イジメる神様は、ヘッポコなの!」

30  ミク   「人間の小娘ごときに、ヘッポコなんて呼ばれたくない!
          あんな接客ごときで、満足してるようじゃ、まだまだね。
          だから、あんたは、ポンコツよ」

31  明日香  「なんで、ポンコツなのよ」

32  ミク   「ポンコツだから、ポンコツって言って、何が悪いの!」

33  昇    「お前ら、仲いいな」

34  明日香&ミク「よくない!」 

35  昇    「ハモるんだから、仲いいんじゃねーのか。
          それよか、デカイ声で、何言い争ってたんだ?」

36  明日香  「このヘッポコ神様が――」

37  ミク   「このポンコツ小娘が ̄ ̄」

38  昇    「ああー、もういい。訊いた俺が悪かった」

39  明日香  「ふんっ! ヘッポコだから、お兄ちゃんが、いつ死んじゃうのか、
          どうやって死んじゃうのか、わからないんでしょ!」

40  ミク   「このポンコツ小娘! 神様が、なんでもできると思うんじゃないわよ」

41  昇    「確かに、俺も疑問に思ってた。未来予知が出来るくせに、なんで明確じゃないんだ?
          注文とかは、ずばり言い当ててたのに、おかしいんだよな」

42  ミク   「昇まで、神様に期待しすぎ。人の命が消えることはわかってるの。
          それが、何月何日何時何分で、
          どうやって生涯を閉じるのか、なぜ見えないのか、あたしにもわからないのよ。
          あんた達、忘れるんじゃないわよ、神様は万能じゃないの」

43  明日香  「それさえわかれば、守れるんだけど。お祭りまでって、
          どうしてそんな呪いみたいなのがかかってるんだろ?」

44  ミク   「それは、おそらく、あんたのお兄ちゃんの…って、
          神のくせに、たった1人の人間に、でしゃばりすぎか」

45  昇    「なあ、森の神様。どうやって死ぬのか、わからないんだよな?」

46  ミク   「そうよ。神でも、わからないことは、たくさんあるの」

47  明日香  「でも、急に病気で死ぬってことはないよね。だから、お祭りまでの命ってコトは
          急に死んじゃうんだから、不慮の事故しか考えられないよね」

48  昇    「ああ、俺もそれを考えてた。いつ、どこで起こるかわからないから、
          ずーっと翔兄を監視しなきゃいけない」

49  明日香  「けど、ずーっと監視って、難しいよね~。なんか、ヒントとかないの?」

50  ミク   「う~ん、そうね~…たとえば、山から岩が落ちてきて潰されるとか、
          もしくは、歩いてたら転がってくる岩に追いかけられて潰されるとか、
          あるいは、店の外で掃除してたら岩が降ってきて潰されるとかじゃない?」

51  明日香  「どうでもいいけど、どうして岩で潰される限定なの?」

52  昇    「まあ、とにかく、何が起こるかわからないんだ。
          祭りまでに、翔兄を守りきれば、死ぬことはないんだよな」

53  ミク   「そうよ、祭りが終われば、あとは普通に生きるわ。たぶん…(呟く)」

54  明日香  「だから、祭りまでに、お兄ちゃんが生きていれば、普通に人生をおくれるんでしょ?」

55  ミク   「そうね、祭りまでに、あんたのお兄ちゃんを守りきれば、の話だけど」

56  明日香  「よーし、昇。がんばろうね」

57  昇    「そんなの、当たり前だろ、明日香!」

58  翔    「おーい明日香、昇。ボクはおつかいに行ってくるからねー」


(店内)


59  明日香&昇「ちょっと待ったぁぁーー!!!!」

60  翔    「すごい、ハモったね~」

61  明日香  「お兄ちゃん、私がおつかいに行くよ」

62  昇    「翔兄、俺が行くよ」

63  明日香  「昇は、店に残りなさいよ」   

64  昇    「明日香こそ、店に残れよ」

65  明日香  「あんたね! お兄ちゃんが、車にひかれて死んじゃったらどうするの!?」

66  翔    「あの~、明日香。御宮島(みぐうじま)には、バスが1台しか走ってないから、
          そう簡単にひかれないと思うよ」

67  明日香  「そんなのわかんないでしょ! よそ見してたら、後ろからひかれることだってあるんだよ!?」

68  翔    「わかったよ。僕は行かないから、2人で行けばいいと思うよ」

69  昇    「いや、それはダメだ」

70  明日香  「そうそう、お店で何が起こるかわからないし」

71  翔    「なんだか、よくわからないけど、2人とも、僕を心配しすぎだと思うよ?」

72  昇    「じゃあ、おつかいは俺が行く。明日香は、店に残れ」

73  明日香  「OK、任せといて」

74  翔    「どうして、2人とも気合が入ってるんだろう?」

75  明日香M 「これで、お兄ちゃんは、死ななくて済む。
          でも、こんなコト、毎回出来るのかな~?」

76  ミク   「頑張ってやるしかないでしょ」

77  明日香  「それりゃあ、そうなんだけど…って、また心を読んで」

78  ミク   「小娘だけじゃないの。昇だって居るんだから、たまには甘えたらどうなのよ」

79  明日香  「なんで、私が昇に甘えなきゃいけないの」

80  ミク   「ホント、素直じゃないんだから、だからいつまで経っても…」

81  明日香  「なんなのよ、昇、昇って」

82  昇    「なんだ明日香?」

83  明日香  「わっ! 昇、いたの!?」

84  昇    「ああ、もうすぐ出るけど、何か呼ばれたから来た」

85  明日香  「呼んでない、呼んでない」

86  ミク   「自分のお兄ちゃんを、ちゃんと守りきれるか、小娘は不安なのよ」

87  明日香  「ちょっと、ミクちゃん、言わないでよ」

88  昇    「はっ、そんなことか。お前より、俺の方が不安だったよ」

89  明日香  「へっ? 昇が、不安って…」

90  昇    「俺は、1人で翔兄を守るつもりだった。けど、俺だけで本当に守れるのか不安だった。
          でも、明日香に神様が見えたおかげで、
          余計に翔兄を守りたくなったんだよ。協力してくれて、ありがとう」

91  明日香  「ありがとう、って、昇が私に言うなんて思わなかった」

92  昇    「そ、それぐらい言えるぞ。じゃあ、行ってくる」

93  翔    「コーヒー豆を、ちゃんと届けるんだよ~。
          住所はさっき渡したメモに書いてあるからね~。
          それじゃあ、気をつけて行くんだよ~」

94  昇    「ああ、わかってるよ。いってきまーす」

95  明日香M 「そうか、昇も不安だったんだ。
          けど、ありがとうって言葉が、昇の口から出るなんて思わなかった。
          え? なに? 私、なんかドキドキしてる。もしかして、嬉しいの?
          いや、そんなコトない。と、思うけど、なんだろ、この気持ち。
          よくわからないけど、イヤじゃない…」

96  ミク   「ほら、ノロケてないで、自分の大切なお兄ちゃんを守りなさい」

97  明日香  「わ、わかってるよ、もう、うるさいな、ミクちゃんは」

98  ミク   「ちゃんと聞こえてるんだから、仕事しなさいよ」

99  明日香  「ほんとに、意地悪な神様~」

100 ミクN  「昇が出かけた後、小娘こと、明日香は兄である翔をじーっと見張っていたんだけど、
          気持ちが悪いと言われて、翔を不快にさせてたわね。
          で、1時間もしないうちに、昇が帰ってきても、
          命に関わるような大事故は起こることはなく、
           平和に午後2時が訪れようとしてるわ」

101 明日香  「あのさ~、死ぬ、って、なんだろうね?」

102 昇    「何を言い出すんだ、急に」

103 明日香  「急じゃないよ。だって、お兄ちゃんが、もうすぐ居なくなるかもしれないんだよ?」

104 昇    「バカヤロー! そんなこと、ぜってえー、させねー。
          明日香は、翔兄が居なくなってもいいのかよ?」

105 明日香  「違う、そうじゃなくて、お兄ちゃんが死んじゃうって考えられないの」

106 明日香  「もし、お兄ちゃんを守れなかったら、どうなるの?
          昇は、お父さんをなくしてるよね、その時、どうだったの?」

107 昇    「それは、悲しかった」

108 明日香  「それだけ?」

109 昇    「それだけって…それだけじゃないけど、言葉に表せない」

110 明日香  「私は、お兄ちゃんが居なくなった世界は、ありえないよ。
          だって、どう考えたって、居なくなると思えない」

111 昇    「けど、神様は言ってるんだぞ。信じるしかないだろ」

112 明日香  「でも…神様だからって、なんでも決められたコトに
          人間が従うなんて、おかしいよ」

113 明日香  「自分の意思で動いてるのに、誰かの意思で動かされてるなんて嫌じゃない。
          たった1度の人生なんだから、初めから決められたまま進みたくないよ。
          運命を変えなきゃ」

114 昇    「その運命を変えようとしてんだろうが」

115 明日香  「だから負けないよ、ミクちゃん。人間の底力みせるからね」

116 ミクM  「おもしろいじゃない。見せてもらおうじゃないの、人間の底力ってやつを」

117 翔    「明日香と昇、何やってるんだい? お客さんがくるかもしれないから、店の中にいてよ」

118 明日香  「あ、うん。今行く」

119 昇    「さあ、仕事しなくちゃな」

120 ミク   「小娘のお兄ちゃん。あんた、死ぬかもしれないよ」

121 明日香  「ちょっと、お兄ちゃんに、話しかけないでよ」

122 翔    「どうしたんだい、明日香?」

123 明日香  「ううん、なんでもない」

124 ミク   「あんたは、幸せもんだよ。妹が、命を守るって頑張ってるんだからさ」

125 翔    「ああ、本当に助かるよ」

126 ミク   「え? あたしの声、聞こえるの?」

127 翔    「明日香が3番テーブル片付けてくれたから、
          お客さんがスムーズに入れるから、本当に助かるよ」

128 ミク   「聞こえるわけないか。見えるのは、小娘と昇だけなんだから」


(客が入る)
     

129 明日香  「いらっしゃいませ、天上庵へ、ようこそ。って、雪さん!?」

130 雪    「よう、明日香。久しぶり~」

131 明日香  「久しぶりって、私が中学生の時に、会ったきりだよ。
          そのお腹、大きいけど、もしかして…」

132 雪    「そう、あたいのお腹に赤ちゃんが、いるんだよ」

133 明日香  「すごい! じゃあ、雹さんの子でもあるね」

134 雪    「当たり前だろ! これで、他の男の子供だったら、結婚した意味ないだろ」

135 明日香  「いいな~。好きな人と結ばれるって。
          女子は憧れるよ~」

136 雪    「そうだろそうだろ。お前も結婚しな」

137 明日香  「いやいや、私は高校生ですから、結婚は早いよ」

138 雪    「え~、あたいの友達は17歳で、結婚したけど?」

139 明日香  「早!? どうして、そんな早く結婚したの!?」

140 雪    「うんと~、お腹の中に子供がいたんだよ。
          そんで、高校やめて、幸せな家庭を築いてるよ」

141 明日香  「色々と事情があるんだね。ところで、雪さん」

142 雪    「おう。なんじゃい」

143 明日香  「結婚して、何か変わったことある?」

144 雪    「苗字が変わった。明日香の場合は、天上明日香から矢島明日香になるな」

145 明日香  「なんで、矢島にならなきゃいけないの」

146 雪    「だって、昇は、矢島って苗字じゃん」

147 明日香  「いやいやいやいや、ありえないから」

148 雪    「ホントか~?」

149 翔    「世間話もいいけど、注文してからにしてくれないかな?」

150 雪    「翔じゃねーか。久しぶり~」

151 翔    「どうしてだろう。同じ島に住んでるのに、3年くらい会ってないような気がするよ」

152 雪    「まあ、お互いに、忙しいからだろ?」

153 昇    「注文どうぞ」

154 雪    「おっ! 昇じゃねーか。なんだ、カフェで働いてんのか?」

155 昇    「夏休みの間だけ」

156 雪    「へー、偉いな~。ずいぶんと成長したもんだ。
          お前、カッコよくなったな。モテるだろ?」

157 昇    「全然モテねーし。そんなことは、いいから注文しろよ」

158 雪    「なんだよ、仕事熱心だな~。ほんじゃ、ミルクちょうだい」

159 昇    「はいよ、少々、お待ちください」

160 明日香  「それにしても、お腹、ずいぶん大きいね、何ヶ月?」

161 雪    「9ヶ月だ。もうすぐ産まれるよ」

162 明日香  「おう!? それはすごいね。
          あのさ、お母さんになるって、どんな気持ち?」

163 雪    「う~ん、そうだなぁ…正直なこと、言っていいか?」

164 明日香  「う、うん、いいよ」

165 雪    「あたい、本当は、怖いんだよ」

166 明日香  「こわい? どうして? 嬉しいんじゃないの?」

167 雪    「そりゃ、好きな人の〝愛の結晶〟が、あたいの中にあるのは嬉しいさ。
          けど、あたいがお母さん、っていうのが信じられないのさ」

168 明日香  「どうして、信じられないの?」

169 雪    「だって、あたいがお母さんだよ? 子供を、ちゃんと育てられるのか、
          五体満足で産んであげられるのか、グレないように、どうやって教育をしようか、
          数え切れない不安が、あたいに圧力をかけるんだよ。
          でね、あたいのお母さんに訊いたんだ。
          『どうやって、お母さんは、あたいのお母さんになったんだ?』って。
          そしたらさ、なんて答えたと思う?」

170 明日香  「う~ん、わかんないよ」

171 雪    「それがさあ、
         『アンタも、親になる時が来ただけで、すでに覚悟は出来てるんだ。
          アンタは、生まれてくる子供のお母さんになればいいんだよ』
          って、言われたよ。ま、当たり前のコトしか言ってないんだけど、
          ああ、やっぱりあたいは、この人がお母さんで良かった、って思ったんだ。
          だからさ、なってみなきゃわからないんだよ」

172 明日香  「でも、お母さんになれるのは、嬉しいんだよね」

173 雪    「そりゃそうさ、嬉しいに決まってるだろ」

174 ミク   「小娘、良く覚えておきなさい」

175 明日香  「みんながいる前で話しかけないでよ」

176 ミク   「神のありがたい言葉を聞きなさい」

177 明日香  「ありがたいコトバ?」

178 ミク   「命ある者、必ず死ぬ。
          死ぬということは、悲しくて、切なくて、
          存在が消えてしまって、どこにも無いの。
          世界中、探したって代わりなんて、1つもない。
          けどね、消えるばかりじゃなくて、命は生まれるの。
          生命は、枯れやしない。あたしは、それを何度も何度も見てきた。
          でも、傍観者のあたしは、口を出すことは許されなかった。
          たとえ、知っていても教えるなんてできなかった」

179 明日香  「許してもらえなかった?
          ミクちゃん、私と昇に、お兄ちゃんが死ぬって、
          教えてるけど…もしかして…」

180 ミク   「〝死ぬ〟と〝生まれる〟の繰り返しだってわかってる。
          けど、人間が死に直面した時、
          どんな行動を起こすのか、見たくなっただけよ」

181 明日香  「そうか…ミクちゃんは、1000年も見てきたんだよね。
          この島で生まれた人たちと、死んでしまった人たちを。
          そして、言いたかったけど、言えずに我慢してたんだね。
          たくさん、たくさん、見てきたのに…」

182 明日香  「死ぬ時期がわかっていれば、時間が尽きるまで
          思い出をたくさん作れたかもしれない。
          けど、神様は意地悪だから教えてくれない。
          だって、教えちゃったら本物って感じしないから」

183 明日香  「でも、ミクちゃんは教えてくれた。
          これは貴重な時間だから大切にしなきゃいけない。
          しかも、それが自分たちの力で止められるかもしれない。
          居なくなってしまうかもしれない、大切な人を守れる。
          これって、最高の幸運に恵まれたよ。
          本当に、ミクちゃんに会えて良かった。
          お兄ちゃんを助けられるなんて、奇跡だよ。
          神様は、やっぱり優しんだね。
          人間を見捨てたりなんかしないんだね。
          ありがとう…本当に、教えてくれて、ありがとう…
          あれ? 涙が、あれ?」

184 翔    「明日香? どうしたの?」

185 雪    「明日香!? なんで、泣いてんの?」

186 昇    「いや、これは、なんでもないんだ。
          な、明日香、奥へ行こう」

187 明日香  「う、うん。ごめん、昇」

189 雪    「明日香、死ぬのがどうのこうの、とか言ってたな。あ、すまない、翔」

190 翔    「なんで、謝るのさ?」

191 雪    「だって…織姫先生のこと、が、さ…」

192 翔    「そのことか…」

193 雪    「ほら、やっぱり、お前の中で、織姫先生は――」

194 翔    「そんなの、とうの昔に終わってることだよ」

195 雪    「だったら、今、付き合ってる人は、いるのか?」

196 翔    「ふっ、そんなのいないよ」

197 雪    「じゃあ、好きな人は、いるのか?」

198 翔    「それもいないね」

199 雪    「やっぱり、翔の中で、織姫先生は、生きてるんじゃねーのか?
          まだ、踏ん切りがつけられねーんじゃねーのか?
          終わってるって強がりだろ?」

200 翔    「雪、それは、違うよ…」

201 雪    「翔が、まだ織姫先生を想っているから、
          この店に従業員の女の子を入れないんじゃないのか?」

202 翔    「なんで、そんなことになるのさ」

203 雪    「今、見る限り、店員は、翔と明日香と昇の、3人しかいない」

204 翔    「ウチは、儲かってないからね、従業員を雇えないだけさ」

205 雪    「違うね。翔は、恐れてるんだよ。
          失うのが、怖いだけさ」

206 翔    「そんなコトない! …そんなコトは、ないんだ…」


(倉庫内)


207 明日香  「昇、ありがとう、もう大丈夫だから」

208 昇    「まあ、お前の泣き顔は好きじゃないからな」

209 明日香  「え? なにそれ?」

210 昇    「お前は、笑ってる顔が、いいからな、
          だから、もう泣くな」」

211 明日香  「あ、ありがとう」

212 昇    「素直にお礼言われたら、こっちだって恥ずかしいだろうが」

213 明日香  「昇が、言い始めたんでしょ」

214 昇    「お前が泣くからだろうが!」


(棚を叩く昇。棚が傾き始める)


215 明日香  「え? えええええ!?」

216 昇    「明日香、危ない!」


(棚が2人に倒れてきた)


217 ミク   「ちょっと、あんたたち大丈夫!?」

218 明日香  「私は、平気」

219 昇    「俺は、平気じゃない。足をやられた」

220 明日香  「まさか、骨折れた?」

221 昇    「わからない」

222 ミク   「ちょっと待ってなさい、翔を呼んでくるから」

223 明日香  「ミクちゃん、見えないのに、どうやってお兄ちゃんを呼ぶの?」

224 昇    「まあ、一応神様だから大丈夫だろう」

225 明日香M  「改めて思ったけど、これって昇の顔が近すぎない?
          なんか、ドキドキする。こんな時どうすればいいんだろう?」
 
226 明日香  「ねえ…」

227 昇    「ん?」

228 明日香  「なんか、しゃべってよ」

229 昇    「はあ? 今、そんな状況じゃないだろ。
          お前をかばって、動けなくなってるのに、
          意味不明なコト言うな」

230 明日香M  「そうか、私をかばって、昇は動けない。
          私は昇の下に居る。昇は私を助けてくれた。
          いつの間にか、頼れる男になってたんだ。
          昇のにおいがする。髪だって触れるくらい近い。
          体温がわかる。吐息が顔にかかる。
          私の心臓の音が早くなるのがわかる。
          お願い。このドキドキが昇にバレませんように」

(倉庫前)


231 ミク   「さて、どうやって、翔に明日香と昇が倉庫の中で、
          棚の下敷きになってることを伝えるかが問題よね。
          私の祠に、ちょっとでもお供えとか、拝むとかしてれば、接点があって見えるんだけど、
          翔は、私たちを信じてないから、私の姿を見せることはできないし、
          触れることもできない。私は神様なのに、ホント役に立たない力しか持ってなくてやんなるわ。
          でも、私は、この島の神様なのは、変わらないのよ」

232 ミク   「契約の名の下に、森羅の神が命ずる。紅き踊り子たちよ、輝きの舞台で芽吹け!」

(店内)

233 雪    「あ? あれ? もしかして、桜か?」

234 翔    「桜って」

235 雪    「いや、外が桜吹雪になってるから」

236 翔    「今は夏だよ? 春でもないのに、桜が咲くなんてありえないよ」

237 雪    「じゃあ、外見てみろよ、外」

238 翔    「っ!? 本当に、桜の花びらが舞ってる…
          そんな、不思議なことが起こるなんて…」

239 雪    「ちょっと、見に行こうぜ」

240 翔    「そ、そうだね」


(倉庫前)


241 雪    「なんだこりゃ? どこから桜が降ってくるんだ?」

242 翔    「これは、桜の花びらで間違いなけど、なぜ今、こんな所で?」


(倉庫内)

243 昇    「翔兄の声が聞こえる」

244 明日香  「ホントだ。雪さんの声も聞こえた」

245 昇    「翔兄! 助けてくれー!」

246 明日香  「お兄ちゃん、助けてー!」


(店内)


247 明日香M  「お兄ちゃんと雪さんに助けられた私たちは無事に棚の下敷きから脱出できた。
          昇を病院に連れて行った。雪さんも付き添ってくれた。
          昇は足を捻挫したけど、全治1週間程度だと医者は言っていた。
          昇を家に帰して、お兄ちゃんは昇のお母さんに何度も謝った。
          そして、お店に戻って、今日は、お店を閉めて、私とお兄ちゃんと雪さんの
          3人だけになった。あと、小さな神様も肩に乗っていた」

248 翔    「すまないね、雪。お店閉めるの手伝ってもらって」

249 雪    「気にするな、友達なんだから」

250 翔    「ありがとう」

251 雪    「昇は、1週間で戻ってくるんだから、それほど大怪我じゃなくてよかったよな」

252 翔    「そうだね、昇が戻ってくるまでに、明日香ががんばってくれれば、問題ないけどね」

253 明日香  「任せてよ。昇の分までがんばるよ」

254 雪    「なあ、明日香って、彼氏いたっけ?」

255 明日香  「え? いないけど」

256 雪    「へ~、そうなんだ。昇って、かっこよくなったな。彼女とかいるのか?」

257 明日香  「え? いないんじゃない?」

258 雪    「じゃあ、狙いどきだな」

259 明日香  「いや、なんで?」

260 雪    「仲いいじゃん」

261 明日香  「どこが!? ただの幼馴染だよ」

262 雪    「まあ、人生に恋人は絶対に必要か、って言ったら、必要ないんだよ」

263 明日香  「え? なにそれ?」

264 雪    「だって、恋愛しないと死ぬ人間、見たことあるか?」

265 明日香  「ううん、そんな人、1人もいない」

266 雪    「だろ。でもな、あの体験はしたほうがいい。
          幸せな気持ちは、独りじゃできないんだよ。
          パートナーがいて、初めて成立するからだ」

267 明日香  「そうだね、私も幸せな体験はしてみたいと思うよ。
          でも、好きな人がいないんだよね」

268 雪    「そうか、明日香は、女になりきってないな」

269 明日香  「なりきってないって、なんで?」

270 雪    「女はな、男がいないと、本物の女になれないんだよ」

271 明日香  「本物か…そりゃ、なりたいけど。どうすればいいのか、わからないよ」

272 雪    「奥手じゃダメだ。積極的に行け。それから、好きになればいい。
          だって、途中でやめたっていいんだから」

273 明日香  「うん、そうだね」

274 雪    「なにごとも、チャレンジが大事だ。
          それで、あたいも、いい旦那さんに巡り会えたんだから。
          見舞いに行けよ、そうすれば昇も喜ぶぞ」

275 明日香  「う、うん、そうだね…」

276 明日香M 「昇は私を助けてくれた。私を守ってくれた。
          お見舞いに行くくらいはいいかもしれない。
          昇は、リンゴ好きだったから持って行こうかな。
          あれ? なんで、ドキドキするんだろ。
          なんか、昇に会えると思うと緊張する。
          あれ? 何でだろう、なんか、恥ずかしい」

(携帯電話が鳴る)


277 雪    「ん? ウチの旦那様から電話だ。(電話とる) ハイハイ」

278 ミク   「小娘、どうしたの、顔が赤いけど?」

279 明日香  「な、なんでもないよ」

280 ミク   「まあ、心が読めるから、あんたの思ってることはわかるんだけどね」

281 明日香  「…………」

282 ミク   「はあ、言い返せないほどってことね、ハイハイ」

283 雪    「ウチの旦那が、店閉まってるんだけど、どこに居るだって」

284 翔    「店に来たのかい?」

285 雪    「今、入り口に立ってる」

286 翔    「今すぐ開けるよ」


(店のドア開ける」)


287 雹    「よう、翔。久しぶり」

288 翔    「ああ、ホント、久しぶりだね、雹」

289 雹    「同じ島に住んでるのに、なんで会わなかったんだろうな?」

290 翔    「お互い、忙しいからじゃないから」

291 雹    「まあ、オレも、いろいろあったからな。あれ? もしかして、明日香か?」

292 明日香  「お久しぶり、雹さん」

293 雹    「へ~、ずいぶん、大きくなったな。色々と。今度、飯でも食いに行くか?」

294 明日香  「やった、雹さんの奢りだね」

295 雹    「当たり前だ、任せとけ」

296 雪    「おい、自分の奥さんの前で、ナンパするな」

297 雹    「バカやろう、ナンパじゃねーよ」

298 雪    「はあ~、やっぱり、男は、若い女のほうが、いいのか。
          散々、あたいを待たせておいて、な~んも、ないんだもんな~」

299 雹    「それは、しょうがないだろ。さっき、仕事が終わって、急いで駆けつけたんだぞ」

300 雪    「ホントか~」

301 雹    「ホントだよ~、なんで疑うんだよ」

302 翔    「まあまあ、夫婦ゲンカは、それぐらいにして、コーヒーでも、ゆっくり飲んでいきなよ」

303 雹    「すまない、そうしたいのは山々なんだが、これから行くところがあるんだ」

304 翔    「そうか、残念」

305 雹    「なーに、また来るよ。今度は、子供を連れてくるから、そんときに色々話そうぜ」

306 翔    「それまで、楽しみに待ってるよ」

307 雪    「それじゃあ、雹、行くよ」

308 雹    「はいはい、わかりましたよ、雪。みんな、それじゃーな」

309 翔    「またね」

310 明日香  「バイバーイ」

311 雪    「あ、そうだ、明日香」

312 明日香  「え? なに?」

313 雪    「明日香も、好きな人と結ばれなよ。
          頑張らないと、無駄に歳とるだけで終わるぞ。
          昇と仲良くしな~、じゃあね~」


(店を出る雪と雹)



314 明日香N 「店を出たら、雪さんは雹さんと腕を組んで、笑顔を浮かべながら、海へと向かって行った。
          いいな~、楽しそうで。なんか、理想の夫婦だな~。私も、あんな仲良し夫婦になりたいな~。
          けど相手がいないんだよね~。まあ、昇はありえないけど。
          なんで雪さんは、昇と私をくっつけようとさせるんだろ。
          あいつは、ただの幼馴染なだけなのに。
          まあ、いいや。今は、お兄ちゃんを守ることに集中しないと。
          恋愛は、それからだね」

(明日香の部屋、夜)  



315 明日香  「雪さんのお腹には、新しい命が宿ってるんだね」

316 ミク   「そうよ、また新しい命が誕生するのよ」

317 明日香  「命がなくなるコトばかり考えてた。
          でも、命って作れるんだね。
          神様の力なんかじゃない。
          私たちの力で生み出せるんだよね」

318 ミク   「わかってると思うけど、死ぬだけが終わりじゃなくて、
          ちゃんと命をつないでいく使命が人間にはあるの。
          この命のリレーを、あたしは見守ってたの」

319 明日香  「なんか、不思議だね~
          命が生まれるって、
          私にも、その力があるんだと思うと、なんか人間てすごいね~」

320 ミク   「そうそう、だから、小娘も早く昇と一緒になって、子供を産みなさい」

321 明日香  「な、なんで、そんなコトになるの。
          別に、昇のことなんか…」

322 ミク   「心が揺れてるってことは、脈ありね」

323 明日香  「ないない。そんなのない」

324 明日香M 「以前の昇は、生意気だとしか思ってなかった。
          けど、最近になって、知らなかった昇が近くにいる。
          仕事もできるし、ちょっとかっこよくなってるし、頼れる男になってる。
          けど、私は昇をどうしたいんだろ?
          一緒にいたいのだろうか? それとも、寂しさを埋めたいだけなのだろうか…
          でも、私を守ってくれた。それは、歪められない事実。
          そして、胸の鼓動が早くなるのは、どうしてなのか、それと…」

325 明日香  「ミクちゃん」

326 ミク   「なによ?」

327 明日香  「お兄ちゃんを助けられても、私たちが犠牲になるかもしれない。
          どちらも。助かると思ってたのに。
          甘い考えだったよ。誰も命を無くさないように、お兄ちゃんを守らないといけない」

328 ミク   「まあ、そうね。でも、どうやって、死ぬのかわからないのに、
          どうやって守るのか考えがえてるんでしょうね?」

329 明日香  「そ、それは~、えーと、えーと…
          ああーっ! 悩んでも仕方ない!
          明日、昇のお見舞いに行くから、そのとき考えるの。
          もう寝る、おやすみ~」

330 ミク   「あ~あ、せっかく、一緒に寝てあげてるのに、
          もう寝るって、面白くないわね~
          お風呂まで入ってあげたのに」

331 明日香  「お風呂は楽しかったよ~
          羽を触れて嬉しかったな~」

332 ミク   「あのね~、羽はデリケートなの。
          羽がなくなると飛べなくなるんだから」

333 明日香  「やっぱりそうなんだ。メモしよう~と」

334 ミク   「ちょっと、なによ、そのノート」

335 明日香  「え? ミクちゃんの弱点ノートだよ」

336 ミク   「なに、それ!? 早く捨てなさいよ」

337 明日香  「ヤダよ。これで、口の悪い神様に勝つんだもん」

338 ミク   「は~、なんか、考えがちっちゃいわね」



       ―2話終了―

3話目へ



あしたも晴れる 1話 「神の眼(テオスブルー)」

原作:春ト

この台本の
著作権は作者にあります。
著作権は放棄してません。

キャラクター紹介(イラストあり)
http://ch.nicovideo.jp/3nen8kumi/blomaga/ar456286

《配役》


天上明日香♀(てんじょうあすか)17歳【ワード数:157】
矢島昇♂(やじまのぼる)17歳【ワード数:58】
天上翔♂(てんじょうかける)26歳【ワード数:40】
雫♀(しずく)17歳【ワード数:10】
森の神様♀見た目10歳の妖精【ワード数:41】
男性客【ワード数:1】
女性客1【ワード数:1】
女性客2【ワード数:1】





総ワード数:312





性別比率
♂3:♀5





サブタイトル「神の眼(テオスブルー)」




天気:晴天


(教室)

1   雫     「やっと、終業式終った~」

2   明日香   「やったー! 今日から夏休みだー!」

3   雫     「明日香~。楽しそうだね~」

4   明日香   「だって、夏休みはイベントだらけだよ。花火に、お祭りに、海とか、
           楽しいことがいっぱいなんだよ。ワクワクしない方がおかしいでしょ?」

5   雫     「はいはい、昇君とのデートも楽しみ、だと」
 
6   明日香   「はあ? なんで昇が出てくるの」

7   雫     「あれ? 昇君と付き合ってるんじゃなかったの?」

8   明日香   「いやいやいやいや、付き合ってるわけないでしょ、雫の頭の中はどうなってるの?}

9   雫     「だって、2人仲いいじゃん」

10  明日香   「どこが? ウザイだけだし」

11  雫     「ふ~~~~ん、昨日 一緒に帰ってたのに?」

12  明日香   「昨日は、たまたま昇降口で会って、家が隣だから、一緒に帰っただけ」

13  雫     「幼馴染だから?」

14  明日香   「もう、いいでしょ。帰るよ」


(下校中)


15  明日香   「夏休みも始まったし、雫は何して遊ぶ?」

16  雫     「それはもちろん、祭りでしょ」

17  明日香   「あ~、なるほど。この島の名物だもんね~。確か、来月の15日だっけ?」

18  雫     「そうそう、いつも8月15日にやるから、小遣いをためる為に、バイトするんだ~」

19  明日香   「え? 雫って、バイトするの?」

20  雫     「やっぱり、遊ぶためには、稼がないと。明日香は、バイトしないの?」

21  明日香   「うん~…私も、バイトしようかな~」


(明日香の家)
(家の中、足音)

22  明日香   「おに~いちゃ~ん」(甘えた声で)

23  翔     「どうしたんだい、明日香?」

24  明日香   「お兄ちゃんって、喫茶店の店長だよね?」

25  翔     「忘れたのかい? 僕の店なんだから、店長なのは当たり前だよ」

26  明日香   「じゃあさ、私を喫茶店の従業員として雇ってよ。夏休みの間だけでいいからさ」

27  翔     「ずいぶんと、急な話だね。欲しいものでもあるのかい?」

28  明日香   「来月のお祭りまでに、お小遣いを稼ごうと思って。だって、雫はバイトするんだよ。
        私だけ、お金持ってなかったら遊べないじゃん」
       
29  翔     「店に来ても、飲み食いしかしない明日香が店を手伝うね~…」

30  明日香   「一生懸命、働くから、お願い!」

31  翔     「う~ん、従業員は多いほうが助かるからね。それじゃ、一緒に手伝ってよ」

32  明日香   「やった! お兄ちゃん大好き!」

33  翔     「それじゃあ、明日から頼むよ」

34  明日香   「ほいよー、任せて!」


(翌日、喫茶店へ行く途中)

天気:晴天


35  明日香   「おっと、いつも見かけるお地蔵さんだ~」

36  明日香   「よし、ここは1つ、神様にお願いしよう」

(明日香、手を合わせる)

37  明日香   「今日から、お兄ちゃんの喫茶店で働きますので、よろしくお願いします、っと」

38  明日香   「よーし、これでOK! あ、そうだ。これから毎日、バイト行く前に拝んじゃおーっと!」


(喫茶店内)
(カランコロンカラーン)


39  明日香   「おはようございまーす!」

40  昇     「オッス、明日香」

41  明日香   「なんで、昇がいるの?」

42  翔     「あれ? 言ってなかったっけ?」

43  明日香   「なんも聞いてないけど」

44  翔     「えっと、夏休みの間だけ、バイトすることになった、昇。
           で、同じく夏休みの間、バイトする明日香。って、知ってるよね?」

45  昇     「まあ~、あんまり言いたくないが、〝いちお〟幼馴染だからな」

46  明日香   「って、ちょっと昇。野球部はどうしたの?」

47  昇     「しばらく休む」

48 明日香   「はー!? あんた、甲子園、行くんじゃなかったの? 
          そのために、小学生から野球一筋だったのに、なにやってんの!?」

49  昇     「うっせーな! さっさと仕事しろよ!」

50  明日香   「なによ! その言い方!」

51  翔     「まあまあ、明日香。お店の準備をしようか」

52  明日香   「は~い」

53  明日香N  「私は、お兄ちゃんの指導のもと、床掃除をしたり、
           窓を拭いたりして、開店準備を終わらせた」

54  翔     「それじゃあ、明日香は、表のプレートをひっくり返して」

55  明日香   「はーい。準備するのも、結構、忙しいな~
           やっぱ、お金を稼ぐのってラクじゃないな~…」

56  翔     「昇は、コーヒー豆を倉庫から取ってきてくれるかい」

57  昇     「はいよ、翔兄」


(翌日、開店した店)
(カランコロカラーン)

58  明日香   「いらっしゃいませ、天上庵(てんじょうあん)へようこそ」

59  翔     「明日香、ちょっと」

60  明日香   「なに? お兄ちゃん」

61  明日香M  「まだ、やることあるの? ちょっと休ませてよ~、
           って、言いたいけど、仕事だもんね、がんばろ~」

62  翔     「このメモにお客さんの注文を書いてごらん」

63  明日香   「ええ!? もう注文とるの~ なんか、緊張するよ~」

64  翔     「大丈夫。さっき教えたとおりに、やればいいんだよ」

65  明日香   「でも、初めてだし…」

66  翔     「明日香は、かわいいから許されるよ」

67  明日香   「それって、どうゆう意味?」

68  翔     「ほら、行っておいで」

69  明日香   「う、うん。い、行ってきます」

70  明日香M  「ああ~、なんかやだな~。初めてお客さんと接するんだよ、うまくいくかな~
           って、男の人だし、怖いよ~。ああー、神様、失敗しませんように!」


(店内、接客)


71  明日香   「い、いらっしゃいませ。ご、ご注文はお決まりでしょうか?」

72  男性客   「えっと、エスプレッソで」

73  明日香   「は、はい。エ、エクスンプレスですね。少々、お待ちください」

74  昇     「明日香、言い間違えてるぞ」

75  明日香   「え? ウソ。ヤダ、恥ずかしい~」

76  昇     「ったく、しかっりしろよ」

77  明日香M  「お客さんにも、笑われたし、昇にも聞かれちゃったよ。
           ああああ~…もう~…最悪だ~」

78  昇     「お待たせしました。エスプレッソになります」

79  女性客1  「すいません、注文いいかしら?」

80  昇     「はい、ただいま。――ご注文を繰り返させていただきます。
           サンドイッチセットのブラック1つで、よろしいですね? 
           かしこまりました、少々、お待ちください」
       
81  明日香M  「昇、接客うまいな~。私と同じで、今日から働いているとは思えない。
           はあ~、私、もっとがんばらないと…」
       
82  翔     「昇、倉庫から、コーヒー豆を持ってきて」

83  昇     「さっき持ってきたばかりなのに!?」

84  翔     「夏休みだからね、客が多いのさ。それに、外は暑いけど、
           店内は涼しいから客が増えて、商売繁盛ってことだよ」

85  昇     「へいへい、すぐに持ってくるよ」

86  明日香   「あ、そうだ。私も、倉庫へ行ってこよう」

(扉の音)
(倉庫内)


87  昇     「お前、ホントなんだよな?」

88  明日香M  「あれ? 昇だけだと思ったけど、
           他にいたのかな?
           誰と話してるんだろ?」

89  昇     「そりゃあ、信じてるけど…」

90  明日香   「昇、誰と話してるの?」

91  昇     「わっ!? なんだ、明日香か!」

92  明日香   「そんなに驚かなくてもいいでしょ。さっき、誰かと話してなかった? 誰かいるの?」

93  昇     「バ、バカじゃねーの。誰もいるわけねーだろ。お前の空耳だろ」

94  明日香   「そんなはずない。ちゃんと昇が話してたの聞いたし」

95  昇     「はいはい、俺は戻るから」

96  明日香   「なにそれ? なんか、怪しい」


(閉店、店内)
(椅子に座る)

97  明日香   「はー、疲れたー お風呂に入って一杯やりたいよ~」

98  昇     「お前は、オヤジか」

99  明日香   「うっさい」

100 翔     「今日はお疲れ様~。初めてだから疲れたよね?
           まあー、コーヒーしかないけど、ゆっくりしていきなよ」

101 明日香   「ありがとう、お兄ちゃん」

102 昇     「ありがとう、翔兄」

103 明日香   「でも、昇は、どうして部活やめてバイトしてるの?」

104 昇     「アホか、部活はやめてねーよ 休んでるだけだ」

105 明日香   「は? じゃあ、なんでバイトしてんの?」

106 昇     「なんだっていいだろが」

107 明日香   「あんた、もしかして、お祭りに行くために、お小遣い稼ぎを?」

108 昇     「そんなわけねーだろ。明日香じゃあるまいし」

109 明日香   「なんだとー! 昇のくせに!」

110 翔     「はいはい、夫婦ゲンカしないでね~、また明日も、よろしくね~」





天気:晴天

(次の日の朝、地蔵に手を合わせる明日香)
(お地蔵様の前)


111 明日香   「今日も、無事にバイトが出来ますように」


(店内)


112 明日香   「おはようー! お兄ちゃん、昇」

113 翔     「おはよう、明日香」

114 昇     「オッス、明日香」

115 翔     「早速だけど、明日香は窓拭き担当で、昇は倉庫の整理を頼むよ」

116 昇     「了解!」

117 明日香   「よーし、頑張るぞー」

118 昇     「お、気合入ってるな、明日香」

119 明日香   「当たり前でしょ! 昇なんかに、負けないんだからっ!」

120 昇     「いつから勝負してたんだ?」

121 明日香   「昨日から」

122 昇     「昨日からって、全然知らなかった。お、俺も負けないからなっ!」


(数分経過した店内)


123 翔     「明日香~、昇がまだ倉庫から戻ってきてないんだ。ちょっと見てきてくれるかい?」

124 明日香   「わかったー!」


(倉庫前)


125 明日香M  「やっぱり…怪し~い」

126 昇     「ホントかよ、神様」

127 明日香M  「神様?」

128 昇     「はいはい、うんで、次はどうすればいい?」


(倉庫内)


129 明日香   「昇! あんた、神様と話してるの?」

130 昇     「明日香!? ビックリさせるなよ~」

131 明日香   「ねーねー。私、はっきりと聞いちゃった。昇が『神様』って言ってたの」

132 昇     「お、お前、バイトのし過ぎで、つ、疲れてるんだよ。少し休め」

133 明日香   「そんなはずないでしょ」

134 昇     「お、お前も、ちゃんと仕事しろよ~ じゃあな」

135 明日香   「怪しい…怪しすぎる…」


(店内)


136 明日香   「ねえ、お兄ちゃん。昇、怪しくない?」

137 翔     「う~んと~…」

138 昇     「――かしこまりました。少々お待ちください」

139 翔     「ちゃんと、仕事してるように見えるけど?」

140 明日香   「確かに、仕事はきちんとしてるけど…。
           あいつ、倉庫の中で、誰もいないのに1人でしゃべってるんだよ」

141 翔     「ヒトリで、しゃべってる?」

142 明日香   「そう。神様とか言ってんの。ゼッタイおかしいよ」

143 翔     「ん、おかしいかどうかは、わからないけど。明日香は、昇のこと、良く見てるね~
           僕は、ちっとも気づかなかったよ~。そこまで、昇が心配だったんだね~、明日香は優しいね~」

144 明日香   「だって、怪しすぎるんだもん」

145 翔     「まあ、気になる話だけど、僕は、倉庫に行ってくるからね~」

146 昇     「ちょっと待って、翔兄!」

147 翔     「何? 昇?」

148 昇     「俺が、行くよ。何を持ってくればいい?」

149 翔     「それじゃあ、サンドイッチ用のパンを2袋持ってきてくれるかい?」

150 昇     「お安い御用だ」

151 明日香M  「よし、ついて行って、ばれないように昇を見張ろう。
           今度こそ、証拠をつかんでやる」


(倉庫前)


152 明日香M  「よし! 昇が倉庫に入った。なんかしゃべれば、今度こそ証拠を押さえられる!」

153 明日香M  「あれ? 倉庫から出ちゃった? なにも話さなかったな~。
           それじゃあ、倉庫の中でも調べてみますか」


(倉庫内)


154 明日香   「んん…どこだ、どこだ~。昇の独り言の原因は、どこだ~」

155 明日香   「ああ、もうっ! ぜんぜん、見つからない。
           なんで、昇は倉庫の中で誰もいないのにしゃべってるんだろ?」


(次の日の朝、地蔵の前で手を合わせる明日香)

天気:晴天


156 明日香   「本日も、無事にバイトが出来ますように。あと、昇の行動がおかしいんですよ、お地蔵さん。
           なんででしょうか? って、しゃべるわけないか、早くお店に行こう~っと」
       
       
(店内)

157 明日香M  「気になる、気になる。昇のことが、気になる~」

158 翔     「う~ん、明日香は、ず~と、昇を見てるね~」

159 明日香   「だって、昇のことが気になるんだもん。朝から夜寝るまで。
           しかも夢にまで出てくるし、もう24時間、昇のこと考えてるんだよ」

160 翔     「まさしく、恋だね。明日香から告白すればOKもらえるはずだよ。
           明日香は、かわいいからね」

161 明日香   「そんなんじゃないよ、お兄ちゃん、私が昨日、言ったこと覚えてる?」

162 翔     「何の事かな?」

163 明日香   「昇が怪しいって、話」

164 翔     「あ~、あれか~」

165 明日香   「だから、昇に怪しい所がないか、見張ってるの」

166 翔     「見張るのはいいけど、仕事もしないとね」

167 明日香   「わかってるよ」

168 昇     「いらっしゃいませ。天上庵へ、ようこそ。2名様ですね。
           おタバコは吸われますか? では、こちらへどうぞ」

169 明日香   「ムカつくくらい、接客がうまくなってる」

170 翔     「明日香も、うまくなってるよ」

171 明日香   「え? 本当にそう思う?」

172 翔     「けど、昨日の注文を間違えたのは、よくなかったかな~」

173 明日香   「ほら、やっぱり、誉めてな~い」

174 翔     「すねてる明日香も、かわいいよ」

175 明日香   「ちょ、ちょっと、お兄ちゃん。抱きつかなくても――お客さんみてるよ」

176 明日香M  「へ? お兄ちゃん、シスコンだったけ? 
           なんで、抱きつかれてるの? あれ? あれ~?」

177 翔     「この温もりが…織姫(おりひめ)に似てる…」

178 明日香M  「織姫…さん!? 確かに、そう聞こえたけど…」

179 明日香   「お、お兄ちゃん!? もしかして、まだ、織姫さんの、こと…」

180 翔     「ほら、明日香。5番テーブルにショートケーキを運んで」

181 明日香   「う、うん…わかった…」


(倉庫前)


182 明日香M  「また、昇が倉庫の中に入った。今度こそ、証拠をつかんでやる」


(倉庫内)


183 昇     「だから、言われたとおりにしてるだろ!?」

184 明日香M  「また始まった。けど、やっぱり倉庫の中は昇だけ」

185 森の神様  「あのね~、昇。あんた、本気で翔の命を守る気あんの?」

186 明日香M  「え? 女の子の声? どこ、どこにいるの?」

187 昇     「あるに決まってるだろ。だから、バイトだって始めたんだ」

188 森の神様  「あんた、根性がたらないのよ。もっと危機感を持ちなさいよね!」

189 昇     「つったって、いつ起きるかわからねーんだろ?」

190 明日香M  「え? なに、あれ?」

191 森の神様  「あのね、あたしは、この島の神様なの! あんたの将来を不幸にだってできるのよ」

192 明日香M  「な、なに? あの小さい女の子? も、もしかして、妖精?」

193 昇     「あー、もう~。どうして俺は、こんな奴にかかわっちまったのかな~」

194 明日香   「昇、その、かわいい妖精、なんなのよ?」

195 昇     「へ!? 明日香!?」

196 森の神様  「あら、小娘。今朝がたぶりね」

197 明日香   「今朝がたぶりって、初めて会ったけど? ねえ、この妖精って、本物なの?」

198 昇     「明日香、もしかして、コイツが見えるのか?」

199 森の神様  「昇、コイツとは失礼ね。私は、『森の神』って、立派な名前があるのよ」

200 明日香   「森の神って、名前じゃないよ」

201 森の神様  「は? 名前じゃないって言ったって、神々の間では、
           あたしは『森の神』と呼ばれてるんだから、これが名前なの!」

202 明日香   「私の名前は、天上明日香。これが、名前っていうの、
           森の神様に名前がないなら、私がかわいい名前をつけちゃうよ」

203 森の神様  「はあ~? 小娘ふぜいが、神に名前をつけるって、聞いたことないわよ」

204 明日香   「じゃあね~…こんなのどう?
           この島の名前が御宮島(みぐうじま)でしょ。
           で、この島の神様だから『みぐちゃん』ってどう?」

205 昇     「うわ! ネーミングセンスねぇー」

206 明日香   「でも、みぐちゃんって、言いにくいよね。しかもかわいくないし。
           だから、ミグ…ミギュ…ミキュ…ミクちゃん? うん、これの方がいい。
           今日から森の神様は、ミクちゃんね。はい、決まりー!」

207 森の神様  「人間ごときに、名前をつけられるとは…。認めない、断じて認めない!」

208 明日香   「森の神様が認めなくても、私は勝手に呼ぶもんね~」

209 昇     「でも、どうして、明日香に見えるんだ?」

210 森の神様  「小娘は、毎朝、喫茶店に来る途中で、森の祠に拝んでるでしょ?」

211 明日香   「うん、拝んでるけど」

212 昇     「マジか!? そんなことしてたのか」

213 森の神様  「いまどき感心な小娘だな~、と、特別にあたしの姿を見せているのに、
           神である、あたしに変な名前を付けるし、お供え物はぜんぜんよこさないし、
           とんでもない小娘よ!」

214 明日香   「私も、こんなにも口の悪い神様だとは、思わなかった。拝むんじゃなかった」

215 昇     「は~、まったく、さらにヘンテコになってきたな~」

216 明日香   「でも、なんで昇は、ミクちゃんが見えるの?」

217 昇     「それは、今から2週間前の話だ。部活の帰りに森の祠の前を通ってたんだ。
           すでに日は沈み、辺りは真っ暗で、明かりは自転車のライトしかなかった。
           そこへ、急に野良猫が飛び出してきて、避けようとしてコケたら、
           祠に突っ込んで、お地蔵さんの頭が取れちまったんだ。そんで、コイツにとり憑かれた」

218 森の神様  「だから、お前等、神をバカにしすぎ! コイツ呼ばわりされるし、ミクちゃんって呼ばれるし」

219 昇     「あ、そうそう、この神様、スゲーんだぜ。『未来が見える』んだよ」

220 明日香   「みらい?」

221 昇     「俺も信じられなかったんだが、信じるしかないんだ。
           コイツは、本物の神様だ。俺は、いくつもコイツが予言を当てたところを見てきた」

222 明日香   「へえー、予言ね~。でも、実際に見てみないと、信じられないな~」

223 森の神様  「神を疑うとは生意気な小娘ね。いいわよ、見せてあげる。店に来なさい」

224 明日香   「ほう~、それじゃ神の力をみせてもらお~じゃない」


(店内)


225 明日香   「思ったんだけど、ミクちゃん。他の人には見えないの?」

226 森の神様  「そうよ。小娘と昇しか見えないの。だから、お店の中で飛び回っても平気なわけ」

227 明日香   「でも、なんかウザイな~。他の人には見えなくても、店の中飛んでたら気になっちゃうよね~」

228 昇     「だから、俺はコイツと話す時は、倉庫にしてるんだよ。万が一バレたらまずいからな」

229 森の神様  「大丈夫よ、祠を壊した者だったら、見えるかも知れないわね。
           でも、1000年生きてきたあたしだけど、そんなバカは、昇しかいなかったわ」

230 明日香   「へ~、1000年も生きてるんだ~。じゃあ、ミクちゃんはおばあちゃ、あ痛ッ!」


(明日香、森の神にビンタされる)


231 森の神様  「はい、小娘うるさ~い。あんた、あたしの力を見に来たんだったら、
           おとなしく、あの赤い服を着た女性客を見なさい」

232 明日香   「別に、ビンタしなくてもいいじゃない…」

233 森の神様  「おい、小娘。あんた、あの女性客に注文をとってきなさい」

234 明日香   「あの、赤い服着た女の人でいいの?」

235 森の神様  「そうよ、それで女性客は『カフェオレ』を注文するはずだから、行って来なさい」

236 明日香   「うん、わかった、行って来る」


(客に注文)


237 明日香   「ご注文をうかがってもよろしいですか?」

238 女性客2  「はい。ええーと、それじゃ~、『カフェオレ』をお願いします」

239 明日香   「カっ!? カフェオレ、ですね。か、かしこまりました。少々、お待ちください」

240 明日香M  「予言が当たってる。これが神様の力なんだ」


(店の奥)


241 明日香   「すごい、すごい! ミクちゃん! お客さんの注文を当てちゃったよ!」

242 森の神様  「へへ~ん、たいしたことないわね」

243 明日香   「それじゃあさ、宝くじの番号とか、当てられるんじゃないの」

244 森の神様  「はい、出ました~。クズ人間の考えが」

245 昇     「そんな、余裕ブッコイテられねーんだよ」

246 明日香   「え? それってどいゆうこと?」

247 昇     「明日香、落ち着いて聞いてくれ」

248 明日香   「あ、う、うん。わかった。落ち着いて聞く」

249 昇     「あのな、いきなり変なコト言うけど、あまり驚くなよ」

250 明日香   「わかったから、早く言ってよ」

251 昇     「あのな…翔兄が、死ぬんだ…」

252 明日香   「へ? お兄ちゃんが、死ぬ?」

253 昇     「8月のお祭りまでに、死ぬんだ」

254 明日香   「お祭りまでって…2週間ちょっとしかないじゃない!」

255 昇     「俺だって、信じられねーけど、見たろ? コイツの力を」

256 明日香   「っ!?」

257 昇     「仕方ねーんだよ。信じるしかねーんだ。だから、俺が翔兄を守るんだよ」

258 明日香   「でも、どうして、昇がお兄ちゃんを守らなくちゃいけないの?」

259 昇     「俺の親父は5年前に死んだ。
           翔兄は、昔から家族のように付き合ってくれた。
           本当の兄貴みたいに親しくしてもらった。
           俺にとっちゃ翔兄は家族なんだ。
           これ以上、家族を失いたくない。
           だから、翔兄が死ぬのを阻止するんだよ」

260 明日香   「そっか、ありがとう」

261 昇     「それに、翔兄は、俺の憧れの人でもあるんだ」

262 明日香   「あこがれのひと?」

263 昇     「翔兄は、野球部のエースだったろ? 
           俺だって、いちお野球部の端くれなんだから、助けたいんだよ」

264 明日香   「ありがとう。よーし! 私もお兄ちゃんを守るよ!」

265 森の神様  「小娘に出来るかしら~?」

266 明日香   「できるよ~、まかせて!」

267 昇     「ホントに、大丈夫かな~…」


(明日香の部屋内、しかも夜)


268 明日香   「お兄ちゃんが、お祭りまでに死ぬ、か…」


269 明日香M  「神様の予言だから、実際に起こるのは証明済み。
           けど、どうして、お兄ちゃんが死ななきゃいけないのかな?
           しかも、どうやって死んでしまうのか、わからないって言うし」

270 明日香   「なんか、いい加減な、神様だな~」

271 森の神様  「どこが、いい加減なのよ」

272 明日香   「ミクちゃん!? どうして居るの?」

273 森の神様  「いいじゃない、昇と小娘の家は隣同士だし、
           遊びに来たっていいでしょ、迷惑だった?」

274 明日香   「いや、迷惑じゃないけど…」

275 森の神様  「さっき、昇と一緒にお風呂に入ってきた」

276 明日香   「ええ! ズルイ! 私もミクちゃんと入りたい! 明日は、私と入ろうよ」

277 森の神様  「なんで、そうなるのよ。あたしは、いちお女なの」

278 明日香   「まあ、そうだけど、それがどうかしたの?」

279 森の神様  「あのね、自慢じゃないけど、神々の間では、あたしはトップクラスの可愛さを持ってるのよ」

280 明日香   「見ればわかるよ~。かわいいし、ほっぺ、ぷにぷにだし~」

281 森の神様  「あんたら、あたしを神様だと全然、思ってないわね。
           お風呂に入ったって、こんな反応じゃ、いつまで経っても進展ないのよ」

282 明日香   「進展って?」

283 森の神様  「あんたって、昇と顔あわせると、いつも口げんかしてるわけ?」

284 明日香   「いつもケンカしてるわけじゃないけど、なんていうか…ムカつく」

285 森の神様  「ドコらへんが?」

286 明日香   「生意気だし、すぐ、うるせーって言うし、部活してないし、
           とにかく、あいつの顔を見るだけでイライラするの」
           
287 森の神様  「でも、ちょっとだけ、悪い気もしてるんでしょ?」

288 明日香   「まあ、言い過ぎたな~、とは思ってるけど…
           でも、お兄ちゃんを守るって言ってくれたのは嬉しかった」

289 森の神様  「やっぱり、昔の気持ちと、少しも変わってないのね」

290 明日香   「変わってないって、何が?」

291 森の神様  「なんでもないわよ。それにしても、能天気にしてるわね~
           自分のお兄ちゃんが、死んじゃうっていうのに、余裕ね」

292 明日香   「余裕じゃないよ。ミクちゃんに、色々と聞きたいことがあるの」

293 森の神様  「いいわよ、特別に神様が答えてあげる」

294 明日香   「どうして、お兄ちゃんが、死ななきゃいけないの?」

295 森の神様  「そんなの知らないわよ」

296 明日香   「神様なのに、なんで知らないの?」

297 森の神様  「ただ予知しただけで、原因なんて検討もつかないの。
           けどね、無くなった者を取り戻したい気持ちが強ければ、よみがえるかもしれないわよ」

298 明日香   「え? お地蔵さんに祈れば、よみがえるかもしれないの?」

299 森の神様  「想いが強くかかる人って、大切な人よね。
           つまり、家族や友人、恋人とかね。
           けど、いくら想いが強くても、帰ってこないのよ。
           なぜだかわかる?」

300 明日香   「え? そんな、急に言われても…」

301 森の神様  「人は、不思議な力をもってないのよ。
           だから、神様に、『どうか助かてください』って祈るのよ。
           けど、人が生き返ったって話、聞いたことある?」

302 明日香   「ううん、そんな人はいない…」

303 森の神様  「なぜなら、神様もそんな力をもってないからよ。
           命を作ることはあっても、元々あった命が無くなって、復活させるなんてできないの。
           忘れるんじゃないわよ、神様は万能ではないの。
           神様にだって、出来ないことはあるのよ。
           けど、人間は面白い。分かっているのに、神に祈る。
           それだけ、大事な時間を、大切な時間を共に歩んだ証拠でしょ。
           けど、あたしにはそれがない。
           いつも神様は、1人。
           誰かと一緒に、笑ったり、怒ったり、泣いたりしないのよ」

304 明日香   「ミクちゃん、かわいいのに、モテないの?」

305 森の神様  「人気はあるわよ。けどね、神って存在は、1人でいなければならないの。
           他の神と寄り添ったりしないの。
           だから、人間はどうして、寄り添うのか、ずっと見てきた。
           けど、いまだに答えは見つからないわ」

306 明日香   「ミクちゃん、もしかして…」

307 森の神様  「あーあ、なに変なコト喋ってるんだろ、あたしは。
           眠いから、そろそろ帰るわね。
           昇と一緒の布団で寝るんだもんね~」

308 明日香   「ああー、ずるい! 明日は、私と一緒に寝てよね!」

309 森の神様  「誰が、小娘と寝るもんですか。
           若い男がいいに決まってるでしょ」

310 明日香    「やっぱり、年取ると若い男の方がいいのか。
            ミクちゃんは、おばあちゃんだから、しか――あ、痛!」

(明日香、森の神にビンタされる)

311 森の神様   「うるさい!」

312 明日香    「だから、はたかなくてもいいでしょ」



―1話終了―

2話目へ



音カレーに出るよ

2014年3月2日に東京で行われる音カレーに参加するよ。
自分は脚本担当なので、他にいないから珍しいと思う。
ライブ出演するよ。
ただしゃべるだけだけどね。
よろしくね~

音カレーの詳細
http://otocafe.syrena.net/index.html

声音楽園3ねん8くみサークルブロマガもあるよ
http://ch.nicovideo.jp/3nen8kumi

サークルメンバー募集

ボイスドラマを制作する為、サークルの仲間として声優を募集しています。

サークルのリーダーをしている春ト(はると)と申します。
サークル名は「声音楽園3ねん8くみ」です。

★サークルのモットー★
『本気で楽しむ』

*活動内容*
○ネットと即売会での販売。
○声劇台本を提供します。
○ニコ生で声劇など放送しています。

◎完成した作品は、ネット公開や即売会で販売します。
◎販売場所はコミケ、M3、コミティアなど。

<企画>
4コマ漫画のボイスドラマを作る
台本は完成済み

《条件》
・女性
・都内近郊
・2014年内は、サークルの仲間として一緒に活動できる方
・音信不通ならないように連絡(スカイプ、メール等)が取れて、マナーを持って活動出来る方
・すこぶる”やる気”があり、積極的に活動に参加できる方

募集人数は2人~3人です。
友達との応募も可能です。
初心者大歓迎、未経験大歓迎です。

※制作費、イベント費は全て負担します。
※売り上げが良ければ小額の報酬がありますが、基本的に無償とさせて頂きます。

《特典》
初回行事として都内でBBQ大会を行います。
即売会終了後、カラオケ等を行います。
月に1、2回程度の自由参加の行事を設けて
活動進行状況やメンバーとの交流会な行いたいと考えています。

:連絡先:
pikopikopiko13☆gmail.com(☆を@に替えてから連絡して下さい)
件名を「サークルメンバー募集」にしてください。
質問も受け付けています。

過去作品↓
煽情荒シ1話→http://www.nicovideo.jp/watch/sm21646037
煽情荒シ2話→http://www.nicovideo.jp/watch/sm21731126
煽情荒シ3話と4話→http://www.nicovideo.jp/watch/sm22013992
本物のサンタクロース→http://www.nicovideo.jp/watch/1387095867
永久部屋~脱出ゲーム~→http://www.nicovideo.jp/watch/1391419483

サークルブログ
http://seigaku3nen8kumi.blog.fc2.com/

サークルのブロマガ
http://ch.nicovideo.jp/3nen8kumi

サークルの二コ生コミュニティ
http://com.nicovideo.jp/community/co2052891

春トのこえ部
http://koebu.com/user/harutoman

今後は、歌制作も視野に入れ、向上していきたいと思っています。

コミティア107にサークル参加したよ

P1030271.jpg

上の写真は、設営の様子です。

きちんと製本する予定でしたが、タダのコピー本になってしまって申し訳ありませんでした。
それでも、購入していただいたので、とても嬉しいです。
本当にありがとうございます。

4コマ漫画を持込しました。

「電撃だいおうじ」と「4コマまんがぱれっと」の2社に持込しました。

とても、良いアドバイスをいただきました。
自分でも気づかない所を教えてもらって、とても勉強になりました。

次回のコミティアも参加する予定なので、今度は別の出版社に持込したいと思っています。

そして、1話のコピー本の内容と、今度出す1話の本では、アドバイスをいただいたので、若干変化します。
もちろん、良くなっていますので、お楽しみに。
あと、おまけも付けようと考えてますので、よろしくお願いします。

今回持込して、考えが変わりました。
マンガ雑誌に載ってみたい、と思っていたのですが、
この漫画を載せてあげたい、と変化しました。
自分の作品が、我が子のように、愛らしくなってしまいました。
この想いが変わらない限り、持ち込みは辞めないです。

それでは、次回のコミティアで会えましたら、よろしくお願いします。
プロフィール

春ト

Author:春ト
声音楽園3ねん8くみの担任である春トでございます。 楽しいクラスにしていきたいですね。
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